全ETHの約2%がMakerDAO(メイカーダオ)のコントラクトアドレスに預託、これってどんな仕組み?

HashHubの平野です。
本日のコラムでは、影響力が大きくなっているMakerDAO(メイカーダオ)について解説します。

全ETHの約2%がMakerDAOのコントラクトアドレスに預託

執筆時点で、MakerDAOのスマートコントラクトに流通している全ETHに対して、約2%がロックアップされています。

全ETHの約2%がMakerDAO(メイカーダオ)のコントラクトアドレスに預託、これってどんな仕組み?出典:https://mkr.tools/system

全供給量に対して2%なので、この数字は非常に大きいとものであると言って良いでしょう。筆者はこれからMakerDAO(メイカーダオ)がEthereum(イーサリアム)に与える影響は、さらに大きくなると考えています。

MakerDAOという名前を聞いたことがあっても、その仕組みは知らない方もいるでしょう。

先日、筆者がアンケートを取ったところ、以下のような結果になりました。

筆者のフォロワーは比較的、暗号通貨に関心が高い人が中心のはずで、実際はもっとMakerDAOの認知度は低いかもしれません。しかし、MakerDAOの影響力は大きくなりつつあり、無視出来ないものになっています。

ごく簡単に仕組みを解説します。

無視出来なくなりつつあるMakerDAOの仕組みをざっくり理解

MakerDAOは、DAI(ダイ)というStablecoin(ステーブルコイン)が関連するプロジェクトです。正確には、ステーブルコインとしてのプロジェクトとレンディングプロジェクトとしての性質の2つを持ちます。

一言で説明するならば、不特定多数のユーザーが資産を預託できるスマートコントラクトの流動性プールを構築(MakerDAOのコントラクトアドレス)し、そこに担保をいれている証明証(CDPと呼ばれる)をもとにステーブルコイン(DAI)を発行できるという仕組みです。担保資産はETHです。

担保資産の価値が規定の価格まで下落をすると、マージンコールにより担保資産が精算されます。現在は、担保比率は150%です。

つまり、1億円分のステーブルコインが流通していたとしたらMakerDAOのスマートコントラクトには最低でも常に1億5,000万円分のETHが預託されています。なので、流通しているステーブルコインは常に担保にされたETHをデポジットされています。レンディングという側面も持つとした点は、ETHを担保にDAIを発行(借用)できるという性質を持っているからです。

この一連の流れをスマートコントラクトで制御して、ガバナンスも分散化することがMakerDAOというプロジェクトの試みです。そして、このコントラクトアドレスには現在、流通している全ETHの2%が預託されているということです。大まかにはこのような仕組みになります。

実際には、金利システム、リスク管理の仕組み、ガバナンスなどの要素があり、より複雑ですが、非常にざっくりとした理解ではこのようなものになります。より詳しくMakerDAOを理解されたい方は、下記のレポートをお読みください。

参照:Ethereumの分散型金融で広く利用がされ始めているDAIと、その裏側のMakerDAOの仕組み、ガバナンスの考察

MakerDAOはまだメインネットでローンチをして約1年であり、その拡大のスピードはEthereumの経済圏で存在感を急速に高めています。

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