電力制限の影響

この冬、ビットコインマイニングに再びピンチに陥る可能性がある。

仮想通貨マイニング企業が集中する中国四川省の「甘孜藏族自治州政府」は、冬季電力制限を宣告し、特に仮想通貨マイニング産業に対応する方針を発表した。

水力発電がメインとなる同地域では、夏の雨季の時期に電力余りの状況となり、電力代が大幅に安値となるが、乾季にあたる冬では電力不足と電力代高騰の状況に陥る。

今年の冬は特にその傾向が強まるとみており、以前よりも30%以上の電気負荷がかかると政府は試算した。電気供給を確保するために、この地域の電力に頼る大手マイナー(BTC.com)などに対して、電力供給の優先順位の下位に置くことにするという。

ハッシュレート世界トップ3の大手マイナーBTC.comの創設者はブログで、当該政府の方針に対して批判的な声明を発表。「夏には我々を歓迎するが、冬になると、後回しする」とコメントした。

指摘の通り、四川省における雨季の電力代の安価さは、世界の電力代比較で群を抜いており、利益率に電力代が密接に関わるマイナーが集中する理由になっている。特に、電力が余る状況とマイナーの電力需要がマッチしたことでのビジネス的な発展も確認されていた。

BTC.comも含め、政策の対応方針を受け、どのような影響を受けるか。全世界のマイナーの約半数が拠点を構えるとされる中国四川省のニュースだけに、今後の動向が注視される。

仮にマイナーの収益大幅悪化となれば、ハッシュレートへの悪影響や経営悪化に伴う市場売却も、過去の事例から懸念され得るだろう。

すでに中国の対応方針を懸念した一部の大手・中規模マイナーは、電力供給の安定した内モンゴルや新疆地域に移転していることも報告されているが、依然マイナーが多く存在する地域に変わりはない。

なお、先日の報道であるように、中国のビットコインハッシュレートの世界シェアは66%に達し、政府もマイニングに対する緩和姿勢を継続している。マイニング分野は、中国政府にも認められている産業として、今もマイニング大国の地位を確立している。

参考:Blocktempo

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