ブルームバーグ(Bloomberg)は最近、ビットコイン(BTC)の市場価格が2017年末の約2万ドルの最高記録を再現し、2万8,000ドル(約300万円)をうかがう勢いであるとの分析リポートを掲載しました。
同社によると、新型コロナウイルスのパンデミックの影響を受けて、資産としてのビットコイン(BTC)の価値が一段と高まっています。それを支えるのが機関投資家であり、特にグレイスケールが機関投資家向けに提供するビットコインに連動した投資信託(GBTC)が注目されています。
ビットコイン(BTC)がGBTCの形で急速に増加中
ブルームバーグのリポートによると、新たに市場に供給されるビットコインは、約25%がGBTCに向けられています。昨年のそれは10%以下でした。GBTCの運用資産総額(AUM)の30日平均は急速に増えており、それはビットコイン全供給量の2%、34万BTCに相当します。2年前までは1%でした。
リポートによると、GBTC/BTCのプレミアム(価格乖離)が最近になって目立って縮小していることの意味について、「強い流入にもかかわらず、GBTCプレミアムが確実に縮小していることは、(BTCの)供給が市場から回収されて、成熟していることを示している。30日平均に基づけば、純資産価値に対する信託(GBTC)の20%プレミアムは、過去の平均39%にも匹敵する」と分析しています。プレミアムはほぼ半減しており、その結果BTC価格は上昇すると予測されるわけです。
新型コロナウイルスの影響で年内最高2万8000ドルを予測
リポートはまた、新型コロナウイルスのまん延が、資産としてのビットコインの成熟を加速したと指摘しています。ビットコインの価値が上がらなかった理由について、リポートは「何かが本当に間違っている必要がある」と述べ、ブルームバーグの分析では、2017年の記録を破り、新たな最高価格である2万8,000ドルに達する可能性のあることを次のように分析しています。
「昨年(2019年)の最高価格は約1万4,000ドルだった。最近の変動幅の中で回るならば、2020年にはその価格はほぼ倍増するものと解釈され、そうなっても全体像の中では大した意味はない」。
USDTなどステーブルコインもBTC評価に好影響
リポートによると、ビットコインの評価に与えるもう1つの大きな理由は、テザー(USDT)の急成長です。USDTは昨年5月、市場価格が30億ドルに過ぎませんでした。1年後、その市場価格は90億ドルまで成長しました。ステーブルコインに対する関心の高まりは、暗号資産がより一層受け入れられていることを示しています。
リポートは「米ドルとのデジタルリンクに関心が高まっていることは、仲介者なしで世界の準備通貨で取引し、価値を保存する必要があることを表している。今日の世界がデジタル化に向かって急速に進んでいる時、われわれは歴史を通じて紙幣の採用と比較せざるを得なくなる」と述べています。
ビットコインは半減期を過ぎ、2020年のほぼ半分が残されている時、ブルームバーグのこの予測が実現するかどうか知るまでに長く待つ必要はなさそうです。
参考
・Bitcoin $10,000 Gaining Support
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