ビットコイン(BTC)価格下落の原因と下落相場回復のカギは?(上)

2018年11月末にかけて始まったビットコイン(BTC)価格の新たな暴落にはびっくりしました。ビットコイン価格は4,000ドルを割り、17年9月以来の水準にまで下落しました。なぜここまでと思うのは私だけではないでしょう。そこで海外の仮想通貨情報サイトから下落相場を招いた理由、相場回復のカギなどを探ってみました。

キャピチュレーションがパニック状態の「投げ売り」を招いた?

18年を通じてビットコイン価格は、全体として下落続きです。その主要な理由は、ビットコインが先立つ月より「過剰買い」されたことです。価格高騰の傾向は17年末から18年冒頭にかけて現れました。それが異常だったことは、どのような金融市場でも通常なら、僅か1カ月で1万ドル以上も上昇することはあり得ないことでした。通常はその後比較的短期間に、より正常な価格水準に戻るものです。ビットコインの場合、正常な価格に戻るまで、異常に長時間を要したため、今になってようやくその状態に戻ったとも見ることができます。

わずか数カ月で、1万9,000ドルから4,000ドルを切るまで落ち込むような事態は、誰も見たくありません。多くの投資家は7,500ドルが下値支持線と見てきましたが、5,000ドルの水準も支持線とはならず、今や4,000ドルも確かな支持線ではなくなりました。新たな支持線は、3,000ドルになる可能性もあります。

さらに、ビットコイン価格がこの1年下落し続けたことで、「キャピチュレーション(capitulation=屈服)」が市場をさらに押し下げるのに重要な役割を果たします。この言葉は株式など金融市場では、「安全を求めて市場から抜け出すため、これまで得た利益まで放棄し、投げ売り状態、言い換えればパニック売り」のことを表します。

ビットコイン(BTC)の価格をチェック

ビットコイン(BTC)価格暴落の原因は長引いた下げ相場

小口投資家や一般投資家は、何か起きればすぐ「損切り」する道を選択しますが、それが市場をさらに悪化させます。「損切り」は通常、取引量が急増するか、下げ相場が長引くかいずれかの場合に起きます。ビッコインやその他仮想通貨の場合、後者がその原因になるとされています。

投資家はまた、このような乱高下がビットコイン市場に特異なものではないことを記憶にとどめなくてはなりません。株式もまた18年を通じて、厳しい時期がありました。今回と同じようなシナリオは、14年にマウントゴックスが破産した際に起きました。市場が安定するまでには長い時間がかかりました。今回ビットコインがどうなるのか、予測するのは難しいことですが、ビットコイン価格が反転することはセオリーと言うべきでしょう。

一部の投資家はまた、ビットコインキャッシュ(BCH)ネットワークプロトコルのアップグレード(ハードフォーク)が、今回の価格変動の要因であるとの説もあります。BCHの分裂前に弱気相場の圧力がかかりました。

市場修正は時間がかかりそう 大きかった心理的ダメージ

また市場操作に関する懸念は、大部分を無視することができます。一部トレーダーは、市場を特定の方向に向かわせようとしますが、それほど大きなインパクトを持つかどうかに疑問が残ります。

仮想通貨取引所に対する世界的な取り締まり強化は、むしろ仮想通貨価格にプラスの影響を与えます。ですから今回の価格下落を説明する唯一これだという理由はありません。しかし、ここまで指摘したありうる要因をすべて合わせると、大きな価格下落を効果的に起こすことは可能です。

2018年の11カ月間で、ビットコイン価格は1万9,500ドルから一時3,000ドル台まで、何と85%下落しました。ビットコインおよびテクノロジー研究者のボリス・フリストフ(Boris Hristov)氏によると、弱気市場はこれまでの市場修正(反騰)よりかなり時間がかかると予測しています。

市場ではこのところ、機関投資家がビットコインなど主要デジタル資産により大きな価値をもたらすため参入するとの多くの話が伝わっています。機関投資家は本心ではどう考えているのでしょうか?大きな損失を被った小口投資家や個人投資家は、容易に市場に戻ることは予想できません。資金面だけでなく心理的なダメージが大きかったようです。

今回の前編では、11月に起こった価格下落の要因がどこにあるのかを探りました。明日公開予定の後編では、市場修正の役割が期待される機関投資家について迫りたいと思います。

ビットコイン(BTC)のリアルタイムチャート

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参考
Nulltx

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