米上院で停滞している仮想つか関連法案を巡り、ステーブルコインの利回り規制をめぐる妥協案が浮上しています。
2026年3月10日に開催された「ABA Washington Summit」で、上院銀行委員会のアンジェラ・アルソブルックス議員とトム・ティリス議員が、この論点について調整を進めていることが明らかになりました。
議論の前提となっているのが、2025年に成立した「GENIUS法(ジーニアス法)」です。
同法では、支払いステーブルコインの発行体が保有者に利息や利回りを支払うことが禁止されています。
背景には、ステーブルコインが銀行預金の代替手段として機能し、金融システムから資金が流出する可能性への懸念があります。
銀行業界、ステーブルコイン規制の拡大を要求
一方、銀行業界はこの規制だけでは不十分だとみています。
米銀行協会(ABA)は、仮想通貨取引所や仲介業者が報酬プログラムを通じて実質的に同様の利益を提供すれば、銀行預金の流出を防ぐという規制の趣旨が損なわれる可能性があると指摘しています。
このため、発行体だけでなく関連事業者にも同様の制限を課すべきだとして、議会への働きかけを続けてきました。
ステーブルコイン報酬、「保有型」から取引ベースへ調整案
こうした対立の中で浮上しているのが、「保有残高ベース」ではなく「アカウント活動ベース」で報酬を認めるという妥協案です。
上院銀行委員会のマイク・ラウンズ議員は、報酬をステーブルコインの保有残高ではなく、口座の利用状況に紐づける形で制度設計を検討していると説明しました。
この考え方であれば、高い利回りで資金を集める預金代替型の仕組みは抑制しつつ、送金や決済、サービス利用に伴うインセンティブは一定程度認める余地が残ります。
この方向性は金融業界の一部からも一定の理解を得ています。
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOも、保有額に応じた利回りではなく、取引ベースの報酬であれば受け入れ可能との見方を示しています。
もっとも、妥協案の具体的な条文や上院での審議日程はまだ確定していません。
今後の焦点は、どの報酬が「活動ベース」と認められるのか、そしてその規制を発行体だけでなく取引所や仲介業者にどこまで適用するのかという点にあります。
今回の協議は、米国がステーブルコインをどのような金融制度の枠組みで位置づけるのかを左右する重要な議論となりそうです。
参考元:coindesk
画像:shutterstock