マイクロソフト・エクセル(Microsoft Excel)が、スプレッドシート上にアルファベットのBに斜線の入ったビットコイ・シンボルを付け加え、金融データを入力する際に通貨の1つとしてワンタッチで張り付けることにするそうです。これはマイクロソフトが、ビットコイン(BTC)を公式に受け入れる大きな飛躍と言えるでしょう。マイクロソフトの気まぐれではなく、実現すればエクセルのスプレッドシート上のワンクリックで、即ビットコインのロゴが入力される初めての試みとなります。
ビットコイン(BTC)の扱いを徐々に緩和したマイクロソフト
レディット(Reddit)のユーザーであるthepowerxは、マイクロソフト・エクセルは今後、ビットコインがサポートを受ける実在の通貨として位置づけると書き込みました。
マイクロソフトはここまで、正式にコメントしていません。ユーザーがいつMicrosoft Officeパッケージを入手できるか、出回っているスクリーンショットが本物かどうかも現時点では確かではありません。
マイクロソフトはこの数年、同社プログラム上でのビットコインの扱いを徐々に緩和してきました。同社は2014年に初めて、大手企業としては比較的早期に同社製品に対するビットコインによる決済を受け入れることを開始しています。
マイクロソフトはバックト(Bakkt)と協力
マイクロソフトは最近、ニューヨーク証券取引所(NYSE)のオーナーであるインターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)の新しい事業バックト(Bakkt)の開始に向けて提携、協力していることで良く知られています。
マイクロソフトのベンチャーキャピタル部門であるM12は、バックトが開始するビットコイン先物取引プラットフォームに対する支援者です。バックトの金融支援者はこのほか、ギャラクシー・デジタル(Galaxy digital)やホライゾンズ・ベンチャーズ(Horizons Ventures)、フォートレス・インベストメント・グループ(Fortress Investment Group)、ボストン・コンサルティング・グループ(Boston Consulting Group)など。
マイクロソフトは、各種プログラム上でのサポート通貨として登録する決定を通じて、ビットコインを支援する道を選択したばかりでなく、ネットワーク上でも直接利用するようになっています。例えば、ビットコインブロックチェーン上で非中央集権型の身元(アイデンティティ)確認ツールがそれです。
アイデンティティ確認プロジェクトにブロックチェーン活用
身元確認ツールはIonプロジェクトと呼ばれていますが、特定の企業に依存することなく自身のデジタルアイデンティティを管理することができます。将来的に、パスポートなどこれまで以上に複雑なデータを保存できるツールになる可能性もあります。
そうは言っても、ビットコインは毎秒約6トランザクションしかできず、Ionのアイデンティティ・サービスを使ってすべてのユーザーを処理するのに十分なスピードがありません。マイクロソフトは、この問題を回避するため、すべてのデータは第2層ソリューションを利用して、チェーン外に保存するとされています。
ビットコインは、最も安全確実なブロックチェーンとされています。マイクロソフトは、ビットコインが現在の仮想通貨空間にあるほかのすべてのプロジェクトの中で必ず生き残ることを期待しているのでしょう。
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参考
・CRYPTONEWSON.COM