BakktはNY規制局の認可待ち
米仮想通貨プラットフォーム・カストディアン『Bakkt』が、現物先渡しビットコイン取引を今四半期に開始できるように準備を進めているとした第二の証言が公開された。ニューヨーク規制局の認可を待っている状況下での、問題点も指摘された。

Bakktのビットコイン先物の現状

米仮想通貨プラットフォーム・カストディアンの『Bakkt』が、現物先渡しビットコイン取引を今年の第3四半期(米Q3:7月〜9月)に開始できるよう準備を進めていると、本件に精通した情報筋が米仮想通貨メディアThe Blockに明かした。現在行われている先物テストに続く形で、正式ローンチ日時が第3四半期中になると見られていたBakktだが、改めて違う証言が明かされた形だ。

Bakktはニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社Intercontinental Exchange(ICE)が2018年8月に設立。今月の23日に「ユーザー受け入れ・ビットコイン現物先渡し先物取引のテスト(UAT)」を開始した。

今回の提供開始に向けて、カストディアン(資産管理者)として認定されるために、Bakktは現在米ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)の認可を待っている状態にある。テストによって、新たな仮想通貨デリバティブ商品に関する機関投資家の需要が数値になって公表されれば、市場が好感する事例となる可能性があり、注目が集まっている。

しかしBakktの計画に懸念されている点があるという。それは先物取引の未決済建玉のリスクに対する保険基金が少ない点だ。予定となっている。

Bakkt自体もこの問題を認識しているとしており、現時点で親会社のICEが予定する3500万ドル(約38億円)の保険基金の金額から、サービス開始後にも増額することを予定しているという。業界からは「確かに金額が少ないが、そんなに問題あるとは思えない」という声もあり、増額によって運営の障害にはならない可能性もある。

Bakktは、マイクロソフト社のクラウドシステムを利用し、米商品先物取引委員会(CFTC)とニューヨーク州における規制基準に準拠した仮想通貨プラットフォームだ(取引所ではない)。第一ステップとして置く先物取引は、機関投資家における懸念材料であった、現物保有リスクと長期保有時のリスク手段を提供。第二ステップ以降では、スターバックスなどの大手企業と連携し、決済サービスの提供などを予定している。

Bakktが提供を予定する先物取引は、現物先渡しの先物取引として提供され(毎日決済と隔月決済)、毎日決済では現物取引を間接的に提供することになるため、米大手デリバティブ取引所CMEの現金決済ビットコイン先物取引の仕組みとは大きく異なっている。

CoinPostの関連記事

仮想通貨エコシステムBakktが先物取引のテスト開始、設立1年間の重要情報まとめ
2018年8月、NYSE(ニューヨーク証券取引所)の親会社ICE(Intercontinental Exchange)が設立を発表した仮想通貨プラットフォームBakktは7月23日に、先物取引テストを開始した。発表から1年ほどの重要な動きを振り返る。
テザー裁判とBakkt先物、明日に控えるビットコイン「重要ファンダ」を考察|仮想通貨市況
仮想通貨ビットコイン(BTC)直近の値動きの注目ポイントを分析
おすすめの記事