2019年6月にビットコイン・コア(Bitcoin Core)のクライアントがホストされているGitHubのメンテナーがマイケル・フォード(Michael Ford)氏に入れ替わりました。
知っている人も多いと思いますが、この機会に「そもそもビットコインコア開発者とは誰を指すのか?」を知っておきましょう。
複数存在するクライアントの中で最もシェアが大きいBitcoin Core
まずビットコインはパブリックブロックチェーンであり、クライアントノードの実装が数種類あり、その実装は複数ありながらも互換性があるノードが通信してP2Pのブロックチェーンネットワークを形成しています。
このクライアント実装の一つが、Bitcoin Coreというソフトウェアです。ノードの実装の種類はいくつかあると言ったものの、この実装がネットワークのノードの99%程度を占めており、ビットコインでは、このクライアントがほとんどメインで使われています。
複数存在するクライアントの実装の中で最もシェアが大きいものがBitcoin Coreであると覚えておけば良いでしょう。つまり、このBitcoin Coreというソフトウェアこそがビットコインの実装であると言えます。
GitHubで管理されるBitcoin Core
このBitcoin CoreのコードはGitHub上にオープンソースでホストされています。これはオープンソースなので、誰でも開発提案や修正提案を書いてプルリクエストを行い、コントリビュートすることができます。そして、リリースされた新しいバージョンのソフトウェアにマイナーやフルノードオペレーターが異論がなければインストールしてアップデートしていきます。
このBitcoin Coreにコントリビュートし関与している人たちをBitcoin Core開発者、略して「Core Contributor」、日本語ではコア開発者と呼びます。なお、コントリビュートの頻度がどの程度であればコア開発者と呼べるかどうかという明確な定義はなく、多くの人が曖昧にコア開発者という言葉を使用しています。
また、誰でもプルリクエストを提案できますが、それをマージする権限は、コミュニティに長くコミットしている開発者に委譲されます。この移譲はコア開発者グループで行われます。今回は、Bitcoin CoreのGitHubのメンテナーにマイケル・フォードという開発者がアサインされました。彼は自身の公開鍵をGitHub上に公開し、それに対応する秘密鍵で署名する形で、いつでも自身がホストしていることを証明できるようにします。
このようにしてBitcoin Coreは開発されています。
オフチェーンガバナンスとオンチェーンガバナンス
解説したブロックチェーンのアップデート方法は、昨今オフチェーンガバナンスと呼ばれます。これと対照的であるものがオンチェーンガバナンスです。詳細についてはこちらのレポートで解説しています。
こういったブロックチェーンのソフトウェアのアップデート方法については現在関心が高まっているトピックです。そのため、ビットコインのアップデート方法は知っておくべきであり、この機会に頭に入れておくと良いでしょう。
【こんな記事も読まれています】
・世界の電気0.25%を消費するビットコイン(BTC)、PoWの持続性とPoSが模索される必然性
・ビットコイン(BTC)の人気のワケは?歴史から紐解く仮想通貨
・ビットコイン(BTC)との競争に直面するドル?トランプ政権が通貨戦争を仕掛ける可能性
d10n Labのリサーチコミュニティでは、ブロックチェーン業界の動向解説から、更に深いビジネス分析、技術解説、その他多くの考察やレポート配信を月に20本以上の頻度で行なっています。コミュニティでは議論も行えるようにしており、ブロックチェーン領域に積極的な大企業・スタートアップ、個人の多くに利用頂いています。
▼d10n lab 未来を思考するための離合集散的コミュニティ
・https://d10nlab.com