BitMEXからのビットコインが引出額が過去最大に
7月の世界最大のデリバティブBitMEXからの資金引出額が過去最大の5.25億ドル(約558億円)を記録した。単月では過去最大量に相当、ここまでのoutflowsが記録されることはなかったという。

BitMEXから出金相次ぐ

世界最大の仮想通貨デリバティブBitMEXの顧客資産が萎んでいる。(ハッキングではなく、顧客資産の引き出しが相次いでいる)

TokenAnalystが公開しているデータによると、最大100倍のレバレッジ取引を提供している海外仮想通貨取引所のBitMEXにおける7月の純資金引き出し額が5.25億ドル(約558億円)にのぼり、この指標に関しては過去最大量を記録した。

匿名仮想通貨アナリストのCeteris Paribus氏の投稿によると、単月では、過去に1億ドル(約106億円)以上のビットコインの出金が行われたことはないという。

仮想通貨冬の時代と呼ばれていた2018年においても累計で13億ドルの資金が出金されており、単月で出金量が入金量を上回ることはなかった

BitMEXは7月、5.24億ドルの純流出(出金)を記録した。単月で1億ドルを超えたことは過去にはない。

2018年には13億ドルの流入があり、単月で見ても流出(出金)が流入を上回ることはなかった。

資金流出の原因はあの世界最大の取引所。

BitMEXをめぐっては、先月、米商品先物取引委員会(CFTC)が、同社への調査を開始した旨を海外大手メディア「ブルームバーグ」が報じたことは記憶に新しい。

この件では、BitMEXがCFTCに未登録のまま米国国民に対してデリバティブの提供を行なっていた疑惑が持ち上がったことを受けて、その真偽をCFTCが調査を行なっていた。

これにより、KYC(顧客本人確認)の厳格化などのユーザに対するなんらかの利用制限を恐れた投資家が同取引所から資金を持ち出したとする見方がある。

一方で挙がる理由に、証拠金取引の多様化がある。この動きを指摘するCeteris Paribus氏は、世界最大手の取引所バイナンス社が同プラットフォームにて証拠金取引を開始したことを原因としてあげている。

バイナンスは6月のベータ版のローンチに続いて、7月に正式に証拠金取引のプラットフォームをオープンさせた。同取引所が提供するレバレッジ取引は最大3倍なので、BitMEXに比べると小さいものの、着実にその取引を伸ばしている。

上記のグラフはバイナンスの資金流出入を表している。同氏が指摘するように、証拠金取引オープンから流出に比べて流入が上回っているのが見て取れる。

世界最大のデリバティブ取引所に対して新たにデリバティブ市場に乗り出したバイナンスによって、取引所の様相は今後変化していくことが予想される。世界的な取引所間の資金(ビットコイン)の移動を含めて注視していきたい。

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