中国メディアのChainNewsによると、自称1ドルにペッグするステーブルコインのUSDTを発行するTether Limitedは、オフショア人民元にペッグする新たなステーブルコイン”CNHT”を新たに発行すると報道。現在USDTを主に使用している中国人投資家にとって、ビットコインへの資金流入元となる可能性がある。
オフショア人民元(CNH)とは?
中国のフィアットは通称ISO4217ではCNY(人民元)で表記され、人民幣であるRenminiを略してRMBと表記される。対してオフショア人民元はCNYのような中国本土で使用される”オンショア(国内)”とは別の、”オフショア(海外)”で取引する人民元(CNH)を指す。
つまり、人民元には実質2種類のCNYとCNHが存在することになり主に香港を中心とした中国本土外で使用される人民元である。CNYとCNH間にはデリバティブ取引が存在し、現在は1CNHはほとんど0.999CNYにペッグしている
出典:https://www.tradingview.com/
新たなステーブルコインCNHT
Chain Newsの報道によると、テザーと同じ親会社を持つBitfinexの株主 Zhao Dong氏は取材で
「近い将来、RMB(CNY)にペッグするステーブルコインCNHTをテザーが発行する」
と述べ、Dong氏の創業したビットコインやイーサリアムなど複数の仮想通貨のウォレットを提供するRenrenBitでCNHTのサポートを行うという。
ビットコインの追い風となるか?
現在ステーブルコインとしてはUSDTが中国人投資家に主に使用されているものの、USDTは基本的にUSDにペッグするためドルを保有しているということになる。USDTを保有するということは、USDの変動リスクを受けることになり、行く先が不透明な米中貿易戦争やFRBの利下げなどによる為替差損益を避ける目的では需要があると考えられる。
中国系取引所のOKExやHuobi、BinanceなどがCNHTを取り扱う場合、ビットコインへのチャイナマネーの流入の可能性も大いにに考えられるだろう。