世界の市場に関するリサーチとコンサルティングを行うグローバル・マーケット・インサイツ(Global Market Insights)が9月9日、ブロックチェーン市場に関するレポートを発表した。同レポートによると、 世界のヘルスケア分野におけるブロックチェーン市場は2025年までに16億ドル(約1,700億円)になるという。
ブロックチェーンはコスト削減とプライバシー保護に期待
ヘルスケア分野におけるブロックチェーンは、データのプライバシー保護や健康情報の交換の正確性などへの応用が期待されている。同レポートは、精密医療などにおける運営コスト削減やデータのプライバシー保護のためにむこう数年でブロックチェーンの採用が進むと指摘している。
同レポートによると、ヘルスケア分野への投資も増加傾向にあるとし、特に治療結果の精査
やヘルスケアデータの相互運用性は成長分野だとしている。そして、大幅な技術発展と普及により学術研究とスタートアップ企業の作業効率が上昇することで、消費者のブロックチェーンへの期待を加速させる推測している。
ブロックチェーン×ヘルスケアにおける注目企業
ブロックチェーンの活用と政府主導によるデータ標準化への動きが業界の成長を促すと予想されている。例えば、アメリカ政府は2009年に電子カルテなど医療情報の機密性に関して、HITECH法(経済的および臨床的健全性のための医療情報技術に関する法律)を制定。この法律は、コスト削減と政府がデータの正確性を監視するため、医師と研究者、病院に電子テクノロジーの活用を促進させるものだった。
このような政府主導の動きや規制から、ヘルスケア分野におけるブロックチェーン技術の需要が高まる要因の1つだとしている。
また、グローバル・マーケット・インサイツが発表したレポートでは、ブロックチェーンとヘルスケアの分野のおける主な企業として、マイクロソフト(Microsoft)やIBMなどの大企業の他に、医療関係の情報を管理できるプラットフォームのPokitDok、スマートフォンで自身の医療データを管理できるCoral Healthなどがあげられている。
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