リクルートライフスタイルの外食市場に関する調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」が、2019年10月の消費税増税後から2カ月間の食費・キャッシュレス決済利用状況についてアンケートを実施し、結果を発表しました。
20代女性の中食・テイクアウト利用が増加傾向に
増税後、食費の出費が減ったと30.7%が答えており、食事形態別では外食が37.6%、中食では35.7%、内食(自炊)では29.1%が食費の出費が減ったといいます。
性年代別では20代男性で36.6%、20代女性で36.0%と20代男女が出費を抑えており、60代女性で75.0%と最も出費が減っていない割合が高いことがわかりました。
食費の節約を考えている割合は男性より女性が多い一方で、実際の出費は全年代で男性の方が女性より減少している割合が多い結果となりました。
また、消費税増税以降の飲食時に増えた費用は「どれにも当てはまらない(どれも増えていない)」と64.3%が回答。増えた費用があると答えた中では「家で調理(自炊)したものを食べる」が最多で26.0%、続いて「小売店で購入したものを持ち帰って食べる(中食)」が11.1%でした。
なお20代女性では「家で調理(自炊)したものを食べる」 が最多の37.1%となり、「小売店で購入したものを持ち帰って食べる(中食) 」は16.7%、「飲食店からテイクアウト、デリバリー(出前)する」も10.4%と他の性年代よりも割合が多く、税率8%の飲食を積極的に増やしていることがうかがえます。
一方減った費用では「当てはまる選択肢がない(どれも減っていない)」が53.8%で過半数でしたが、去年の増税・軽減税率によって税率10%に定められた「小売店でイートイン(買ったものを店内で食べる)する」が最多で27.9%でした。
また「飲食店の中で食事する」が24.4%、「飲食店の中で飲酒する」が22.5%といったように、税率が10%に引き上げられた場面では食費の現象が多い結果となりました。
なお、イートインの食費減少がを最も多かったのは20代女性で34.7%。30・40代女性は「飲食店の中で食事する」が減少した割合が他の性年代よりも高くなっています。
増税と同時に開始した「キャッシュレス・消費者還元事業」の対象飲食店において、実際にキャッシュレス決済を行いポイントの還元を受けた(今後還元を受ける予定も含む)割合は63.8%でした。
増税前に飲食店でのキャッシュレス決済を利用しておらず今回「ポイント還元を受けた(受ける予定)」割合は10.9%。男女とも全年代の中で30代の経験率が高く、30代男性では68.2%、30代女性では64.7%でした。
また同年代で男女を比較すると、どの年代でも男性の方が女性よりも経験率が高く、圏域別では増税前のキャッシュレス利用率が高かった東海圏が66.4%と、3圏域の中で最もポイント還元(今後還元を受ける予定も含む)の経験率が高い結果となりました。
「キャッシュレス・消費者還元事業」を利用した理由や利用の感想では全体で「支払いが早く済む」が最多で52.1%であり、キャッシュレスのメリットを「時短」と捉えることが多いとうかがえます。
2番目に多かったのは「増税に対する心理的な負担が軽減される」で29.7%、続いて「現金で支払うことが損をしている気持ちになる」が26.2%、「ポイント還元された金額がわからない」が23.4%、「ポイント還元があるお店が少ない」が23.0%などといった回答もあがりました。
性年代別では「財布(お金)を持たなくてよい」が20代男女や50・60代男性で多く、逆に40~60代女性では減少。20・30代女性は「キャッシュレス決済を使いすぎてしまう、どの程度使ったのかわからない」といった回答がほかの性年代より多かったといいます。