ビットコイン(BTC)採掘難易度調整でマイニングは困難に

ビットコイン(BTC)の採掘難易度調整が6月16日、2018年1月以来最大となる15%上方調整されました。ビットコインは日本時間の5月12日半減期を迎えた後、マイニングのハッシュレートが40%以上下落、通常約10分の新たなブロック生成に要する時間が14分にもなりました。

BTC採掘難易度調整が過去最大規模の15%の上方修正

ビットコインの採掘難易度は、通常は10分かかるブロック生成時間を維持するため、総数2016ブロックが生成される約2週間ごとに調整されています。マイナーは過去12週間、生成されるビットコインを上回る量を売却してきましたが、この傾向は1、2週間前から逆転してマイニングしたビットコイの売却を控える傾向になっています。

6月の1週目に入って事態が変わります。難易度を下落させる調整が行われた結果、ハッシュレートは回復し始め、ブロック生成時間もほぼ7分に短縮されました。現在、市場には新しい採掘マシーンが導入され、中国で水力発電施設の発電コストが低下する雨季がピークに達し、生産性の悪いマイナーが脱落し始めています。そして今回の難易度上方調整によって、ビットコインの採掘はより一層難しくなりました。

マイナーは弱気相場でBTC在庫を増やし、強気相場で売る

仮想通貨市場データ企業バイトツリー(ByteTree)のジェームズ・ベネット(James Bennet)最高経営責任者(CEO)は、この間の事情について、「マイナーは概して、弱気相場で(BTCの)在庫を増やし、強気相場で売る」と説明しています。同氏によると、ビットコイン価格が回復すれば、マイナーは市場に在庫を放出するだろうといいます。

同CEOはさらに、「マイナーらの保持は強気相場を意味するとは思わない。マイナーは手持ちビットコインを最高価格で売りたいと思うが、運用コストを稼がなくてはならない。マイナーは決してBTCホドラーではない。彼らは市場に精通している」と語っています。

投資家は強気相場を期待してBTCをホドリング

半減期後の変動の激しい市場の中で、興味深い現象が起きています。少なくともこの1年、ビットコイン供給量の60%に動きがありません。つまり投資家がビットコインを利売せず、保持するホドリング(hodling)に出ているのです。10年以上ホドルしている投資家は31%、2~3年のそれも26%に達しています。

これら投資家は、ビットコインの将来に「強気相場」があると見ています。その結果、ビットコインを大量に保持するクジラと呼ばれる投資家人口が増えています。現に、少なくとも1,000BTCを保有する投資家が1,882件登録されています。

事態は一変、強気相場を期待するファンダメンタルズ高まるか

取引手数料は5月中旬以来、50%余り下落しましたが、4月のそれと比較すればなお5倍も上昇しています。

多くのマイナーが激しく競争し合い、10分に満たない時間内で1ブロックを形成することになれば、採掘難易度が高まることは当然でしょう。ブロック形成に10分以上かかるマイナーが増えれば、逆の事態もあり得ます。マイナーだけでなく投資家もまた、市場を動かす最近のファンダメンタルズの変化を注視しています。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
Bitcoin Records Biggest Network Difficulty Adjustment of 15% Since January 2018
Miners Lower Bitcoin Supply, Start Hoarding More

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