投資信託GBTCはETFに転換へ、グレイスケールがビットコインETF認可確信 

世界最大手デジタル資産運用会社グレイスケール・インべストメンツ(Grayscle Investments)は、株式市場の認定投資家向けに上場中の主力商品であるビットコイン(BTC)投資信託「グレイスケールビットコイントラスト(Grayscale Bitcoin Trust/GBTC)」を、認可待ちのビットコインETF(上場投資信託)にすべてそのまま転換することになるだろうと発表しました。

GBTCは2013年以来、米証券取引委員会(SEC)が認証して発売開始された人気のある投資信託であり、OTC市場で取引されています。ETFは同社が改めて再認可を求めてSECに申請中です。

投資信託GBTCは無条件で認可後もビットコインETFに転換約束

運用資産残高(AUM)340億ドルのGBTCは、SPDRゴールドトラスト(SPDL Gold Trsut/GLD)とiシェアーズ・シルバー・トラスト(iShares Silver Trust/SLV)に次ぐ大型信託であり、その週間取引高は26億ドルに達します。グレイスケールは今回の発表(4月5日)で、2016年以来米証券取引委員会(SEC)への申請を取り下げてきたETFについて、バイデン新政権後のSECの政策に期待して再申請しています。

同社は、GBTCはETFに無条件に転換され、GBTCの保有者はその際に何らの手続きも必要ないと発表しました。現在2%の運用手数料もETFへの転換に伴って減額されます。グレイスケールは「これまで数社がビットコインETFを申請しているが、当社は立場とSECとの関わり合いに自信があるとしている」と述べています。

SECにゲンスラー新委員長誕生してETF承認の期待高まる

グレイスケールはこれまで数年の間、ETFを商用および規制上の観点から綿密に検討してきた結果、2016年にビットコインETFの上場認可をSECに申請しました。同社はしかしその後、ビットコインの規制上の環境が十分熟していないとの理由で、ビットコインETFの認可申請を撤回しました。いくつかのETF上場申請は、SECから今日までいずれも認可されていません。

今年になって改めて、多くのビットコインETFが申請され、特にバイデン政権誕生後、ゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)氏がSEC新委員長に正式に就任したことで期待感が高まっています。

ビットコインETFの認可は「IfではなくWhenの問題」

2月末以来、GBTCプレミアム価格が下落に転じ、カナダのビットコインETFを含めていくつかのほかの新商品の需要に貢献することになりました。 例えば世界で初めて2月中旬に上場されたカナダのパーパス・インベストメンツ(Purpose Investments)のビットコインETF(BTCC)は、16,462BTCを保有、資産運用残高12億2,000万ドルとされています。

グレイスケール・インベストメンツの最高経営責任者(CEO)であるマイケル・ゾンネンシャイン(Michel Sonnenshein)氏は3月12日、ETFの認可について、「認可は『もし(if)』ではなく『いつ(when)』になるかの問題だ」と語り、近く米国初のビットコインETF上場企業になることに確信を表明しています。

同氏はビットコインETFについて、「それは投資コミュニティーから十分受け入れられる商品だと思う。ETFの人気を考慮するならば、すべて異なるタイプの投資家ポートフォリオの中に広く利用される商品構造である」と語っています。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
Grayscale’s Intentions for a Bitcoin ETF
Grayscale is interested in filing for a US bitcoin ETF if regulators give the green light, its chief executive says

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