SECコミッショナーがビットコインETF不認可はダブルスタンダードと批判

米証券取引委員会(SEC)コミッショナーで「クリプトママ(crypto mom)の愛称で知られるヘスター・パース(Hester Peirce)氏は7月1日、CNBCから放映されたインタビューの中で、SECがビットコインETF(上場投資信託)の上場申請を引き続き拒否しているのは時代遅れであり、ダブルスタンダード(二重基準)に近いと厳しくコメントしました。

ビットコイン市場はほかの市場とは違うというのがSECの言い訳

パース氏は「これは恐らく私が受ける最大かつ最も良く聞かれる質問で『SECはビットコインETFをいつ承認するのか?』というものがある」と話しています。

同氏はさらに「ほかの商品に適用したような基準を適用してきたならば、われわれはすでにその1つもしくはそれ以上を認可していただろう」と語ります。

例えばグレイスケール(Grayscale)投資信託など既存の仮想通貨ファンドとは違って、ETFは在来型の金融商品と共に伝統的な取引プラットフォーム上で自由に取引される投資信託のタイプです。

ビットコインETFは過去数年、多くの上場申請がすべてSECから拒否されてきました。パース氏はこの状況について、「何か新しい物に直面すると規制上の考え方をする人は、『ちょっと待ってほしい。ビットコイン市場は自分たちの知っている市場とはやや違う』と言う」と説明しています。

SECは仮想通貨問題に直面すると「ユニークかつ高度な基準」を適用

パース氏は昨年を振り返って、SECは仮想通貨の問題に直面すると、「ユニークで高度な基準」を持ち出すと語ります。同氏によると、SECはデジタル資産に関係するすべてに異なるルールを適用します。それは伝統的な株式に課すよりはるかに厳しいものになります。

にもかかわらず仮想通貨市場は、成長、成熟し続けており、SECのこれまでの思考法は、時代遅れになろうとしています。パース氏は「公的に規制されたビットコインETFの欠落は、ダブルスタンダードとして受け取られるとともに、投資家を別のさらにリスクの大きい代替商品に追いやることになりかねない」と警告します。同氏はさらに続けて次のように語ります。

「(ビットコインETFを)認可しないことで起きるだろう複雑な状況は一段と強まり、人々は取引所で取引する商品と同じだが別の方法を探し求めることになる。彼らは出し入れが難しい別のタイプの商品を探したり、恐らくビットコインもしくは仮想通貨と幅広く関係を持つ企業を探し求めることになる」

ビットコイン(BTC)が操作されていると考える人は購入すべきではない

パース氏によると、最終的には人々はビットコインに投資しようがしまいが、彼ら自身で決める自由を持つべきです。特に今日のような状況においては、ビットコイン・ブロックチェーンのインフラストラクチャーは、数年前と比較すればより堅ろうで分散化しています。

同氏は「ビットコインは現在、大いに分散型になっている。ビットコインにかかわるノードの数が大きくなっており、分散型の働きが維持されることに関心を持つ人々の数も非常に多くなっている」と述べ、結論として「人々は自ら意志決定すべきである。ビットコインは操作されていると考えるので買いたくないと思えば、ビットコインは決して購入すべきではない」と語りました。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

参考
The SEC should have approved a bitcoin ETF a long time ago, regulator Peirce says

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