メタバースとセカンドライフの関係は?注目された理由などを解説

メタバースに注目が集まっていますが、実はメタバースの前に流行したセカンドライフというソフトウェアがあったのをご存じでしょうか。

この記事では、セカンドライフの詳細やメタバースとの関係性、セカンドライフが衰退した理由を解説します。

また、セカンドライフに代わるメタバースゲームについても紹介していきます。

メタバースと関係が深いセカンドライフとは?

メタバースと関係が深いセカンドライフとは?

セカンドライフとは、2003年に登場したソフトウェアのことを指し、運営は、アメリカのサンフランシスコに本社があるリンデンラボ社が行っています。

3DCGで構成されたインターネット上に存在する仮想世界となっており、このスタンスはメタバースと同様です。

セカンドライフは、仮想空間においてコミュニケーションを取れることが最大の特徴ですが、商品を売買できることやゲーム内で通貨を稼ぐことも可能で、現実の通貨に換金できる点も注目が集まった要因と言えます。

各国のマスコミでも大きく取り上げられ、当時は多くの企業がサービスに参入し、全盛期には、毎月1回以上アクセスするユーザーが100万人以上、毎月の新規登録は約40万人、そしてバーチャル商品の1日の取引額は120万ドルをキープしていました。

そして、セカンドライフがスタートして以来、10年間の取引額は32億ドルと圧倒的なシェアを誇りました。

メタバースが現在流行していますが、その基礎となっているのがセカンドライフと言えます。

セカンドライフが人気になった理由

セカンドライフが人気になった理由

セカンドライフが人気になった理由には、さまざまな要因がありました。
特に、次のような点が挙げられます。

不動産が自由売買できた

セカンドライフでは、仮想空間内にある土地を所有したり、売ることができました。
仮想空間の不動産だからと言って、決して安価で取引されていたわけではありません。

ユーザーはゲーム内に秋葉原を再現したり、ビルを建てショップをオープンするなどの目標を立てたりしてプレイする方が多く見られ、現実世界のように一等地は高額取引されていたのです。

3D世界のオープンソース化

セカンドライフのシステムは元々、オープンソースサービスを目指して構築されていました。

2003年11月には、クリエイター制作物の著作権帰属を認めることが発表され、2007年1月8日にクライアント側ビューアがオープンソース化したのです。

さらに、2010年までにサーバー側もオープンソース化することを表明し、その活動を促進するためのコミュニティ活動には、IBMやサン・マイクロシステムズといった大手メーカーも名乗りを上げました。

しかし、セカンドライフ互換のオープンソースコードであるOpenSimulatorが普及したことで、セカンドライフ自身をオープンソース化する動きは途絶えました。

公式ビューア以外にも、さまざまな派生ビューアが存在しており、より仮想現実が身近になったきっかけを作り出しています。

暗号資産(仮想通貨)を実現した

セカンドライフでは、独自の暗号資産であるリンデンドル(L$)を使用して、仮想空間でリアルな取引ができる点が注目されました。

リンデンドルと米ドルとの為替レートが公式に用意されていることで、公式サイトを筆頭にさまざまなサイトで換金を行うことが可能となっています。

今でこそ当たり前になっている暗号資産ですが、いち早く実現したという点は高く評価されています。

アダルト系コンテンツがキラーコンテンツ化していた

セカンドライフ内では、アダルト系コンテンツが認可されています。

セカンドライフのアダルトコンテンツ規制に伴い、年齢認証を済ませなければ入場できないアダルトコンテンツ専門の新大陸「Zindra」が正式オープンしています。

セカンドライフが衰退した理由

セカンドライフが衰退した理由

現在改めて振り返り、セカンドライフは革新的なテクノロジーを多く採用しています。
ただ、セカンドライフは急激にシェアを失い、やがて淘汰されたのです。

セカンドライフ衰退の大きな原因として、過疎化しやすい仕組みであった点が挙げられます。

例えば、セカンドライフでは、1つのワールドに最大50人しか入ることができませんでした。

また、ユーザー自身が自由に空間を作ることができたために、アバターの密度が低くなりがちだったのです。

他にも、同時刻にユーザーたちが集まる仕組みもなく、新しいユーザーとの出会いよりも、狭いコミュニティしか構築しにくい状況でした。

さらに、不正の温床となったこともあり、急激にユーザー離れが進んだのです。

セカンドライフに代わるメタバースゲーム

セカンドライフに代わるメタバースゲーム

セカンドライフに代わって、現在では多くのメタバースゲームが流行しています。
特に注目されているゲームとして、次のようなものがあります。

フォートナイト

フォートナイトは、クラフト要素があるサードパーソン・シューティングゲームです。

また、PvEアクションやバトルロイヤル、サンドボックスなどの異なるゲームジャンルとして、次のような3つのゲームモードを提供しているのが特徴です。

  • 世界を救え:最大4人のプレイヤーがゾンビのようなモンスターを撃退してオブジェクトを防御する協力型CO-OPモード(PvE)
  • バトルロイヤル:基本無料でプレイできるバトルロイヤルゲーム。最大100人のプレイヤーが最後まで生き残るために他のプレイヤーとバトルする(PvP)
  • クリエイティブ:プレイヤーが独自の世界を作成することが可能
  • バトルロイヤルモードでは、2019年2月に開催されたイベントで1,000万人を超えるプレイヤーが同時に接続したことで話題となりました。

    ソードアート・オンライン

    ソードアート・オンラインは、有名な小説を題材としたオンラインゲームです。

    2020年7月にリリースされた「ソードアート・オンライン アリシゼーション リコリス」は、原作・アニメと同様に仮想世界(アンダーワールド)が舞台となっており、主人公のキリトを操作してアリシゼーション編の世界を冒険するRPGとなっています。

    物語の途中からは「アバターカスタマイズ」や、オンラインで世界中のプレイヤーと協力してさまざまなことに挑戦できます。

    マインクラフト

    マインクラフトは、マルクス・ペルソン氏とMojang Studiosの社員が開発した、サンドボックスゲームという新しいジャンルのゲームです。

    マインクラフトには、特定の目標がないという点が最大の特徴です。

    プレイヤーは、敵対的な生物であるモブとバトルしたり、オンラインで他のプレイヤーと協力や競争するなど、ゲームを自由にプレイすることが可能です。

    ワールドは水平方向にほぼ無限に広がっていて、土や石、水、溶岩などのさまざまな種類の立方体のブロックで構成されています。

    プレイヤーは採集した原料を加工して、構造物や装備品を製作可能です。

    どうぶつの森

    どうぶつの森は、特に新型コロナウイルスの影響により、外出できない方が増えている状況下で大流行した「あつまれ どうぶつの森」が有名です。

    ゲーム内でアバターを自由にカスタマイズでき、オリジナルの空間を作り出すことが可能です。

    正確にはメタバースゲームとは若干異なるのですが、大きな括りとしてどうぶつの森もメタバースゲームと言われています。

    メタバースゲームの今後に注目

    メタバースゲームの今後に注目

    メタバースゲームは、セカンドライフで培ったテクノロジーを最大限に活かしています。
    特に、セカンドライフで失敗した部分をしっかりとカバーしている点がポイントです。

    今後も多く登場する可能性が高いメタバースゲームに注目しましょう。

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