- ビットコインとイーサリアムの金融製品登場を示唆
- アクセンチュアは、世界的な決済システムの状況について「決済インフラの革新と目ざましい進化の時代」と表現。XRPなどの代替決済ネットワークの台頭や、送金・決済アプリを提供するフィンテック企業参入を理由に挙げた。
ビットコインとイーサリアムの金融製品登場を示唆
アイルランドに本拠を置き、グローバルに経営コンサルタント業務を展開するアクセンチュア(Accenture)が、昨年に続き、2019年の世界的な決済業界の動向予測を発表した。
予測を行なったグローバル決済部門業務執行取締役のGareth Wilson氏は、世界の決済システムが置かれた現在の状況を、「革新と決済インフラの改善に焦点を合わせた、目ざましい進化の時代」と表現している。
そのきっかけとなったのは、リップル(XRP)などの代替決済ネットワークの台頭、P2P送金や多通貨対応のウォレット、並びに送金・決済アプリを提供するフィンテック企業の参入だと、同氏は述べている。
2019年の動向では、現金決済の減少が加速する一方、すでに定着した決済システムとして、スマートフォンやモバイルウォレットアプリ大手が提供するApple Pay、Samsung Pay 並びにGoogle Payのさらなる成長が見込まれると予測している。
また、非接触型のタッチ決済やウェアラブル機器向けのモバイル決済も成長の兆しが見えると述べているが、中でもヨーロッパでは、2019年に非接触型決済が全ての決済の50%を占めるようになるとの予測も行なっている。
現在、構築されつつある決済システムの動向としては、オープンバンキング(銀行が保有する顧客データを、顧客の同意のもと、第三者企業と共有する仕組み)の導入に対し、北米、中東、そしてアジアでも、ヨーロッパのPSD2(EUによる決済サービス指令第二版)と、イギリスのオープンバンキングと同様の領域で規制の整備が進むだろうと述べている。
ヨーロッパでは、既に決済サービスプロバイダー向けに導入されている、PSD2に対する銀行の準拠も求められているが、このPSD2規制に準拠したAPIは、今では大半のヨーロッパの銀行で提供されるようになってきているという。
中国のモバイル決済大手Alipayは、ヨーロッパ各国の決済サービス会社と提携して、グローバルレベルで相互運用性の高いシステムを構築しつつあるが、今までは、中国人ユーザーに対象が限られていた。
しかし、ルクセンブルグでEUの「e-money ライセンス」取得に成功しており、PSD2による口座アクセスを最大限に活用し、ヨーロッパ在住のユーザーに向けたサービスを展開していくだろうと予測している。
仮想通貨関連の予測
アクセンチュアのWilson氏は、仮想通貨関連で、次のような予測を行なっている。
- ほとんどの銀行は、ビットコインを避けているが、ビットコインとイーサリアムを取り入れた企業の財務部門対象の資金管理製品が登場するだろう。
- リップル社のクロスボーダー取引ネットワークは、より多くの銀行や企業を惹きつけることで、さらに顕著な成長を遂げ、取引量が増加するだろう。
- 世界の中央銀行が分散台帳技術を用いた法定通貨発行に対し、少しずつ共感を寄せ始め、少なくともその中の一行は、この技術を導入するための具体的な計画を立てるだろう。
- 顔認識や音声認識、手の動き認識といった生体認証は、現在では集団使用に耐えるほど堅牢になっており、ユーザー獲得における武器として、また仮想通貨ウォレットの安全性確保のため、銀行やフィンテック企業によって採用されるだろう。
長期的には、オープンバンキングとリアルタイム決済が融合し、新しい決済インフラが誕生することにより、現在のカード決済はいずれ無くなる方向に向かうとWilson氏は予測している。
そして、技術の進歩の勢いに支えられ、決済システムおよびそのインフラは継続的に変化し、市場を混乱させると同時に、新しいスキームやビジネスモデルの創造を促進しながら発展を続けるだろうと、同氏は主張する。
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