イーサリアム(Ethereum)創業者が関心を寄せるアプリケーションレイヤーやガバナンス、プライバシーについて
出典:https://ethhub.io

イーサリアム(Ethereum)に特化をした分散型情報ハブであるEthHubのポッドキャスト「Into The Ether」でイーサリアムの創業者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏のインタビューを収録した回が配信されました。EthHubのメールマガジンとポッドキャストは、それぞれ毎週更新されて、最新のイーサリアムの情報をキャッチアップできますので、是非フォローしておくべきでしょう。

参考:Into The Ether

ヴィタリック(Vitalik)はコミュニティの中心からは離れてコミュニティの分散化を意識

ヴィタリックのインタビューは、これから数年かけて実装を進めるEtheruem2.0の話がメインになっています。それ以外のトピックとしてヴィタリックは、イーサリアムの中心からは離れようとしている最中であるとしていることが紹介されました。

分散化したコミュニティになるためには、コミュニティは単一のリーダーをフォローするような意思決定とは違う意思決定方法をする練習が必要で、今はその時期であると彼は説明しています。その中でも今、彼がフォーカスするとしたらEthereum2.0であるとしています。

関心があるアプリケーション領域

また、ヴィタリックが、イーサリアムのアプリケーションレイヤーで最も興味あるものは何か?という質問に対して、ゲームと分散保険であると回答しています。数年前と比べ、イーサリアム上でデプロイされるアプリケーションの数は増えていて、特に昨今は、DeFiと呼ばれる分散型金融が一つのバズワードになっています。

ヴィタリックが、ゲーム分野に関心が高いのは、経済効果が大きいからやRMTが出来るからではなく、新しいクリプト的アイデアが試し やすく、PDCAが回りやすい世界だからであるとしています。

これはDecentLandなどが好例であり、日本国内ではMy Crypto Herosなどのゲームアプリケーションが登場しています。

ブロックチェーンのガバナンスについて

また、パブリックブロックチェーンのガバナンスについても言及されています。現在、イーサリアムやビットコインは、オフチェーンガバナンスの方式をとっています。

ブロックチェーンを各ノードが伝播し、アップデートがあれば、各ノードはクライアントをアップデートする必要があるという方法です。クライアントの選択やアップデートについて意思決定プロセスがブロックチェーンの外側にあります。

これに対して、現在、話題になっているものはオンチェーンガバナンスと呼ばれるトークンホルダーで投票によって、アップデートする仕組みです。

このトピックについては下記の記事に詳しいです。
参考:ブロックチェーンのガバナンスについて。プロトコルを分散的に決定する仕組みとその是非、トークンの評価算定まで

ポッドキャストでは、ヴィタリックは、イーサリアムはオンチェーンガバナンスを導入するべきだとは思っていないと回答しています。Dfinity(ディフィニティ)やPolkadot(ポルカドット)などで、まだ始まっていないオンチェーンガバナンスに期待感が始まっていて、オフチェーンガバナンスの複雑性などは十分に議論されていないと指摘しています。

ブロックチェーンのプライバシーについて

ヴィタリックは、ブロックチェーンのプライバシーについても言及しています。イーサリアムのブロックチェーンにレイヤー1にプライバシーは必要ない。各匿名技術には、さまざまなメリットとデメリットがあるため、アプリケーションレイヤーがフレキシブルではなくなると指摘しています。

下記の記事でさまざまな匿名技術を紹介していますが、匿名技術は、例えば、信頼できるサードパーティーが必要であったり、トランザクションのデータ量が大きくなったり、技術ごとにその特性は異なります。

参考:Bitcoinと主要なプライバシーコインの匿名化技術を概観する

ただし、レイヤー2での匿名技術に期待しており、それは確実に必要なものであるとコメントをしています。ポッドキャスト全編は紹介したリンクから見れますので、是非聞いてみると良いでしょう。

イーサリアム(ETH)の価格チャート

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