仮想通貨でお金を稼ぐ。すると頭に浮かぶのは、黒いディスプレイに表示されるチャートと昼夜問わず活発に動く取引板ではないでしょうか?ただ、すぐに「自分には無理」と諦めるのではなく、他の選択肢を概観してみましょう。この記事では、取引以外の仮想通貨の運用方法をまとめました。
マイニング
ビットコイン(BTC)やライトコイン(LTC)など、プルーフ・オブ・ワーク(PoW)という方法で取引の承認が取られているものについては、「マイニング」という承認手続きに参加することで報酬をもらうことができます。
今ではマイニングプールやクラウドマイニングのように手軽に始めることもできますが、4年に1度とされる「半減期」によって、報酬は少しずつ減少しています。
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仮想通貨はそれぞれに承認方法が異なることもあり、ネム(NEM)のプル―フ・オブ・インポータンス(PoI)方式では、一定数を所有しておけば、少量ずつですが報酬がもらえることもある「ハーベスト」といったものもあります。色々と操作が必要にもなりますが、マイニングのために機材を揃えたりするよりも敷居が低いので、やりやすいかもしれません。
また、最近では、同じように保有することが承認手続きの権利となる「ステーキング」という手段も、海外では人気が出てきています。日本ではまだメジャーではありませんが、イーサリアム(ETH)も今後、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)の承認方法に変わり、ステーキングできる通貨になるという話もあり、これから広く認知されていくかもしれません。
マスターノード
ビットコイン(BTC)には4種類のノードがありますが、「マスターノード」と呼ばれるノードは存在しません。マスターノードの仕組みを採用している通貨のひとつにダッシュ(DASH)があります。DASHでは、マスターノードを建てるために1,000DASH(約1,000万円:2019年8月時点)が必要です。
マスターノードの最大の利点は、「不労所得」が得られるということです。つまり、お金が働いてくれるということですね。ただし、市場の価格が大きく下落するリスクは軽く見積もってはなりません。
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投げ銭
仮想通貨と言えば、送受金のしやすさにひとつの魅力があります。アリス(ALIS)のように、記事を書き、その内容が評価されれば、ユーザーからALISトークンを投げ銭してもらうことができるなどの方法があります。
アフィリエイトや広告収入などに比べると微々たるものではありますが、仮想通貨のサービスに触れる程度であれば、もらった投げ銭を用いて楽しむことも可能です。
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レンディング(貸出)
レンディングは、取引所に自分が所有する仮想通貨を貸すことによって、利子がもらえる仕組みです。ここで問題です。みなさんは銀行に預けているお金の年率をご存知ですか?実はほとんどの銀行は、年率がたったの0.001%です。1,000万円を1年間銀行に預けても、たったの100円しか利子がもらえません。もっと他の資産運用が必要ですね。
これに対して、仮想通貨のレンディングは年率約5%の利子を得ることができます。さきほどの例で出した1,000万円(相当のBTC)を仮想通貨のレンディングで運用したとしましょう。すると、50万円の利子を受け取ることができます。
ここで一つみなさんが考えている疑問を解消します。それは、取引所が利子を払ってまで仮想通貨を借りる理由です。結論から述べると、レバレッジ取引やショート(空売り)を行う投資家に貸すための仮想通貨が不足しており、確保する必要があるからです。取引所が、仮想通貨を貸したい人と借りたい人の仲介をしているということですね。
積立投資
積立投資は名前の通り、投資のためにお金を積み立てることです。積立投資という方法は今までの株式や投資信託でも存在していたため、仕組みとしては新しくありません。しかし、仮想通貨に対する積立投資はいくつかの特徴があります。
積立投資にまわすお金は少額からでも問題ありません。また、購入する通貨と予算をはじめに設定するだけでいいので、初心者でも気軽に始められます。
積立投資のリスクを軽減するために、ドル・コスト平均法という仕組みが広く使われています。ドル・コスト平均法では、相場の上昇や下落に関係なく、一定金額で通貨を購入し続けます。
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まとめ
ここまで見てきたように、仮想通貨の売買の他にもさまざまな資産運用の選択肢があります。難しいのは、自分に合った資産運用の形を見つけることです。すべてに長じる必要はありません。少しずつ試行錯誤するとよいのではないでしょうか。
(文・師田賢人)