時価総額3位の暗号資産(仮想通貨)のXRPは、リップル(Ripple)社によって必要以上に管理されているという批判は以前からありましたが、ここに来て大きな転機を迎えています。
XRP支持者の間では今や、リップルがXRP支援し、利用するこれまでの努力を放棄すべきだという声が強まり、同社は対応に懸命です。
2万3000人のフォロワーを持つ支持者がXRP売却に疑問投げかける
Twitter上でXRP-NewsというIDを持つXRP支持者の1人が、2万3,000人のフォロワーに対して、リップル社がXRPから手を引けとは言わないまでも、できるだけ遠く離れた所で見守るべきだと、次のように書き込みました。
「リップルがXRPエコシステムの成長を支援する形が何であれ、うまくいかないことは明らかだ。リップルはXRPからできるだけ遠く離れていてほしい。われわれはあなた方の支援を望まない。われわれは自律したデジタル資産を望んでいる。この考え方に誰か賛成する人はいるだろうか?」
I'm afraid we're going to massively disappoint you.
— David Schwartz (@JoelKatz) September 7, 2019
このTwitterに応えて、リップルの最高技術責任者(CTO)のデビッド・シュワルツ(David Schwartz)氏は、時価総額第3位の仮想通貨とリップル社との関係を終わらせたいと思う人すべてに向けて、「残念ながらあなた方の期待を大きく裏切ってしまいそうだ」とコメントしています。
XRPを売却するリップル社に中止を求める3500人の嘆願書
リップル社は、供給済みXRPの約60%を保有しています。同社は過去数カ月、XRPのOTC取引での売却が、XRP価格の上昇を阻害しているとの非難に直面しています。これに対して同社は、その収入がビジネス遂行の資金となっており、ブロックチェーン技術とXRPの成長を目指す企業に投資していると説明しています。
2019年8月、「Rippleの投げ売りをやめるよう」求める声が広がりました。リップルがOTC取引でXRPを売却することは、XRP投資家に損失をもたらしているとの主張です。この請願書は3,500人の投資家の署名を集め、手持ち資金を売るような行為は直ちに中止すべきだと要求しました。
ちなみに、この請願書の発案者は、Twitter上で10万2000人のフォロワーを持つほど影響力を持つID名Crypto Bitloardが考え出した行動でした。
批判記事にも「XRP売却は価格に影響なし」と強気の反論
ブルームバーグ(Bloomberg)は8月23日、XRP価格が19年初来20%近くも下落している事実とともに、今回の問題を取り上げ、リップル社が手持ちのXRPを日常売却していることが、XRP価格の低迷の潜在的理由であると報道しました。
リップル社は9月6日にブルームバーグの報道と請願書に応えて、XRPの売却はその価格に何らの影響も与えていないと次のように反論しています。
「当社としては、(XRP売却量を)増やしているとの議論に異議を唱える。当社による計画されたXRP販売は、全量の一定の割合で実施されるもので、実際の供給量のインフレ率は、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)より低い」と述べています。
「販売は取引所から報告される取引量と結び付けられており、一部の取引プラットフォームは取引量を偽って報告していることを承知している。当社はXRPの販売を実質的に大幅に減らしており、この傾向は今期も継続する見込みである」としています。
さてこの論争は、どのように決着するでしょうか?そしてリップル社がいろいろな手段で手持ちのXRPを売却している真意はどこにあるのでしょうか?論争の結末を見守りましょう。
参考
・Ripple Will ‘Massively Disappoint’ Investors Who Want Company to Stay Away From XRP
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