イランの国家税務局、条件付きで仮想通貨マイニング収益を免税
イランの仮想通貨マイニング企業が海外での売り上げをイラン本国へ還流させる場合、非石油輸出者のような「免税」の対象になり得ることがわかった。

イランの国家税務局、条件付きで仮想通貨マイニング収益を免税

イランの仮想通貨マイニング企業が、海外で売り上げた資金をイラン本国へ還流させる場合は、免税の対象となることが地元メディアFinancial Tribuneの報道で分かった。

イラン国家税務局(INTA)は、非石油輸出者に適用するものと似た免税制度を仮想通貨マイナーに対しても導入する。

INTAによると、イランでは仮想通貨マイニングは他の産業活動と同じように課税事業であり、海外の売上高を本国へ還流させる上では、イラン中央銀行が求める条項に従う必要があるという。

イランのマイナーたちは、マイニング収益の70%から80%が、採掘プロセスのサイクルへと再投資されるので、政府は資金が外国へ流出することについて懸念し過ぎていると主張している。

電気代が安いイラン

電気代が比較的安いイランでは、仮想通貨の採掘(マイニング)事業は収益性の高いものとなっている。

例えば、米国では1キロワット/時間の電気代は平均して0.12米ドル(約12.97円)かかるところ、イランでは米ドル相当で、たった0.05セント(約0.54円)に過ぎない。

イランでは、最近まで法的位置づけが定まっていないマイニング企業が摘発される事例もあった。しかし今年7月にイラン政府は、政府が認可した業者に限って、マイニング事業を行うことを認めた。

イラン政府は仮想通貨を法定通貨として認めておらず、今のところは国内取引も禁止しているが、米制裁が強まる中、今後外国との決済手段として導入するのではないかという見方もある。

ポルトガルでも仮想通貨への税金免除

ポルトガルでは、税務当局が仮想通貨での取引や支払いに課税はしないことを明確にしたばかりだ。

法定通貨を使った仮想通貨取引と仮想通貨で受け取る報酬の両方に対して、付加価値税(VAT)を免除するという。仮想通貨の収益に対する所得税も課税されない。

関連「ポルトガルでは仮想通貨の取引や支払いは非課税」

日本の税制課題

一方、日本では仮想通貨に対する課税は、通常の株式やFXなどと比べて不平等な点が多く、これからの改善が求められている。

まず、仮想通貨で利益確定した場合の収入は雑所得に分類されるため、総合課税として最大55%が課税対象となる。分離課税として扱われ、最大20%の税率となる株式投資やFX投資よりも最大税率が高く、租税法の「税制の中立性」という観点からは矛盾していると指摘される。

その他にも、異なる仮想通貨間の売買も課税されることや、損失した投資額を翌年に繰越控除することができない現状、利確時の少額決済にも課税されるなどの問題点も課題として投資家を悩ましている。

関連「日本の課税制度」4つの問題点

参考:FinancialTribuneの報道

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