イーサリアムERC-20トークンを土台に構築

カナダの合弁会社Canada Stablecorpがカナダドル建てのステーブルコインを発売したことが分かった。同社は、カナダで最大規模の仮想通貨管理会社3iQと、昨年立ち上げられたブロックチェーン開発会社のMavennet Systemsとの合弁会社である。

この仮想通貨はイーサリアムのブロックチェーン上にERC-20標準を土台として構築され、「QCAD」と名付けられた。

外国為替送金やその他の金融商品を含む、大衆市場向けのステーブルコインで、支払い手段と決済ソリューションの両方として機能すると説明されている。

Canada StablecorpのCEOであるジャン・デスガーニュ氏によると、この仮想通貨は「取引可能であり価値も持つ媒体となる」。トレードしたり、他の法定通貨とペッグされたステーブルコイン(例えば米ドル建てのUSDTなど)に対してポジションを取ることもできるという。コインはカナダドルによって裏付けられる。

デスガーニュ氏は、その他のユースケースとしては、特に外国為替送金のツールとすることを想定しているという。カナダドル建てのステーブルコインとして、金融取引で広範に使われる、最初の仮想通貨になることを目指している。

QCADが、仮想通貨の透明性や監査可能性の新しい標準を設定する上で大きな役割を果たし、ステーブルコインの信頼性を高め、その普及を促進するのにも役立つだろうと同氏はビジョンを語った。

KYCやAML規制にも対応

この「QCAD」トークンは、顧客身元確認ルールとマネーロンダリング防止規制にも準拠している。

トークンは、カナダに拠点を置く5つの仮想通貨取引所(DVeX、Newton、Bitvo、Netcoins、Coinsmart)で取り扱われ、これらの取引所は、法的規制に準拠して、責任を持って独自のKYC / AMLチェックを実施することになる。これらの取引所に登録している者であれば、カナダ国外の投資家でも、QCADを購入できる。

現時点では、取引ペアは、ビットコイン、イーサリアム、USDCに対して提供される。

他の規制に関する懸念としては証券法に関するものがある。仮想通貨では、リップル(XRP)やテレグラム社発行のトークン「Gram」について、有価証券ではないかとして訴訟になっている。

これについては、デスガーニュ氏は、今日も明日も20年後も「QCAD」の価値は「1カナダドル」であり、証券法には触れないと回答した。

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