対談企画(前編)|国産BCゲーム「ブレイブフロンティアヒーローズ」開発者石川氏×DMM Bitcoin代表田口氏

世界No.1ブロックチェーンゲームとして根強い人気を誇る「マイクリプトヒーローズ」の元プロデューサーであり、ブレイブフロンティアヒーローズの現プロデューサーである石川駿氏と、DMM Bitcoin代表取締役を務める田口仁氏の対談が実現。

前編は「マイクリプトヒーローズ」の開発話やブロックチェーンゲームはユーザーが牽引する必要性などを語っていただいた。

プロフィール

・石川 駿(1996年生まれ)double jump.tokyo プロデューサー シンガポール留学時に、大学の同期であり、現在はブロックチェーン企業を起業する渡辺創太の影響を受け、面白い人と面白いことをやりたいという理由からブロックチェーンに興味を持ち、double jump.tokyo就職、そして国産ブロックチェーンゲーム「マイクリプトヒーローズ」の開発に至る。

・田口 仁 DMM Bitcoin 代表取締役 早稲田大学政治経済学部を卒業後、三菱商事に入社。その後はlivedoor、DeNAなどで新規事業などの立ち上げに関わった後、2018年よりDMM Bitcoinの代表取締役を務める。

対談本編

石川:みなさんはじめまして、石川と申します。 私がブロックチェーンに初めて興味を持ったのは、2年前のシンガポールに留学していた時のことです。イーサリアムの開発言語のSolidityなんかを勉強をしていましたが、やっぱり金融の領域は規制だとかで進みが遅いなと思い、僕はもうすぐにでも社会に使われるプロダクトを作りたくて、ゲームという選択肢をとりました。

その中でdouble jump.tokyoという会社に出会い、ブロックチェーンゲーム「マイクリプトヒーローズ」を立ち上げに携わるに至った、というのが私のこれまでの経緯です。

田口:プログラミングをやられているということですが、もともと石川さんは理系とか技術系の人なんでしょうか?

石川:いえ、私はビジネスとか、マーケティングとかをやっていて、それこそ最初は戦略コンサルに行きたいと思っているような大学生でした。 でもその中で、だんだんスタートアップを自分でやりたいと思うようになって、そのためには自分でなんでもできるスーパーマンにならなければと思い、プログラミングに触れたところに、ブロックチェーンが加わったという感じです。

田口:なるほど。マイクリプトヒーローズというブロックチェーンゲームは、いつぐらいから構想されていたのでしょうか?

石川:double jump.tokyoは4月にできたのですが、それこそ例の仮想通貨NEM不正流出事件があった日(2018年1月)は、ちょうど創業メンバーが会社の合宿中で、新事業の方向性を決めていたタイミングでした。

2018年の4月、5月には、歴史上のヒーローを使おうとか、ブロックチェーンとオフチェーンのハイブリットで行くとか、イーサリアムでやろうとか、そういったことを構想していました。

田口:(マイクリの)立ち上げは石川さんが中心でやられたと。

石川:いえ、僕がジョインしたのは8月で、4、5月頃にはすでに構想があったのですが、訳あって本格的に開発が始まったのは7月頃でした。その後、9月にプレセールやベータテストを行って、11月に正式にリリースしました。

田口:現在のゲームの成長は順調か、それとも期待以上のものですか?

石川:期待以上です。当時海外にもブロックチェーンのプロジェクトは出ていたのですが、プレセール詐欺というような金を集めて逃げるみたいな事例がたくさんあって、そんな中でdouble jump.tokyoは参入したので、世の中にちゃんとしたブロックチェーンゲームがあることを見せられたら、次は他のことをやろうと思っていたんです。

ところが、ユーザー数も想像以上に伸びて、他の企業さんからもブロックチェーンゲームが次々と出てきて、この領域はまだまだ伸びるということが分かって今に至るという感じです。

田口:今のユーザー数はどのくらいですか?

石川:ユニークユーザー(集計期間内にサービスを利用したユーザーの数)は8万ぐらいで、DAU(Daily Active Users、1日の間にサービスを利用したユーザーの数)でいうと7000人ぐらいですかね。

マイクリでは、ユニークユーザー数上限が10万、DAUが1万ぐらいの規模を想定していて。ヒーローの数で言えば、レア度で並のクラスになるコモンヒーローが、2500体ぐらいの上限を想定しています。

(現在のユニークユーザー数8万とDAU7000は想定の上限に近づいているので、)上限までいったらコモンヒーローの販売を行うといったことも考えていますが、そこは次の大きな挑戦になりますね。

田口:面白いですねー。海外と国内のユーザー数は、それぞれどのくらいの割合になりますか?

石川:今は五分五分か,日本が6割、海外が4割くらいですね。他の国内のプロジェクトと比べると(海外の人は)多い方だと思います。国別ではアメリカとインドネシアが多いですね。

日本は元々ゲーム市場が大きいので、よく話が海外からもオファーが来ます。今は日本の先進的なイノベーター層にウケているような状態ですので、海外のそういった方々にもアプローチしています。

田口:そうなんですね。熱烈なファンというのもやはりいらっしゃるんでしょうね。

石川:コアなファンになってくださっている方が数百人ぐらいいて、彼らがコミュニティーの中心になってくれています。

ブロックチェーンゲームは運営がゲームを提供するのではなくて、あくまで遊ぶ場を提供してあげるもので、(イーサリアムで売買可能な)デジタルアセットはユーザーのものという特徴があります。

ユーザーがゲームを主導

石川:アセットを持つユーザーが遊び方とかを自分で面白く工夫していく流れが自然と出来ていて、コアなファンが弱かったヒーローの使い道を見出してみんなに教えるだとか、ユーザーの方々が面白いルールを作っていくことでゲームが成り立っているところもあります。

他にもヒーローのパラメーターや200種類が上限というのは運営が決めたことなんですが、もしコミュニティーが300種類にしようとか、ゲームバランスがおかしいところを調整しようとか、そういった動きがでてくると、ブロックチェーンの特徴が活かされていておもしろいですよね。

田口:例えば、僕のプレイするハースストーンというデジタルカードゲームでは、発行上限ではなく四半期に一度パッケージで売る仕組みです。それと比べると、ブロックチェーンゲームは発行上限などによって希少性をもたせることができるんですね。

石川:今後はマイクリだけでなくても、他社とコラボレーションしてブロックチェーンゲーム市場そのものを10倍、100倍・・・と成長させていきたいです。例えば、マイクリで使えるデジタルアセットを今サービス中の新しいブロックチェーンゲームである「ブレイブフロンティアヒーローズ」で使えたりとかですね。

田口:異なるゲーム間でアイテムを交換とかできるんですか。凄い!

石川:ブロックチェーンゲームの特徴として、それができるんです。マイクリの人気ヒーローの1人である「ナイチンゲール」とかが、ブレイブフロンティア上の「ナイチンゲール」として使えたりもできるようになります。

あとは、YouTubeとミラティブが利用されることが多いです。もっとわかりやすいところでは、ユーザー主催のマイクリのパブリックビューイングが今年(2019年)は2回あって、お台場のとある映画館を貸し切って開催しました。

以下が実際のライブビューイングの様子を見ることが可能ですので、ご興味がある方は是非ご覧ください!

インタビュー後編はこちら

対談企画後編「ブロックチェーンゲームは普及するのか」|ブレイブフロンティアヒーローズの狙いとは 
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