テゾス(Tezos)上でガバナンスを管理する企業StakerDAOと販売する投資商品Blend

テゾス(Tezos)はスマートコントラクトが実行でき、さらに形式検証を行うことができるためその安全性が高いブロックチェーンプラットフォームです。金融や不動産分野との親和性が高いと言われているテゾスがどのように利用されているか特集しています。

初のDeFiであるStakerDAOとは?

テゾス上の初のDeFi(分散型金融)のアプリケーションであるStakerDAOがメインネットで公開されました。

StakerDAOとは、分散的な投資ファンドでガバナンストークンで投資判断を決定するDAOです。最初の投資対象として、PoSネットワークのトークンに投資をすると言います。つまりは分散型ヘッジファンドです。StakerDAOについてはより詳しくは下記のコラムで解説しています。

【関連コラム】テゾス(Tezos)上の最初のDeFiアプリケーション「StakerDAO」とは

セキュリティ・ガバナンストークンであるStaker token(STKR)

StakerDAOはメインネットで公開されるとともに、Staker token(STKR) をローンチしました。これまで株式で投資をしていた投資家の保有する権利は、メインネット公開とともにSTKRに転換されました。これまで資金調達した際の時価総額は2,000万ドルで、それに基づくとトークン価格はおおよそ13ドル程度になるとされますが、まだ取引は開始していません。STKRの主要な投資家は、Polychain CapitalとLemniscapです。

STKRはガバナンストークンであり、セキュリティトークンでもあります。分散型ファンドで得た利益はSTKRトークンホルダーに分配されます。また、STKRのトークンホルダーがスマートコントラクトによる投票を通して投資の意思決定に参加もできます。

STKRは、セキュリティトークンとしてアメリカで証券法に乗っ取り、流通することが予定されています。

StakerDAOが販売する投資商品Blendとは

StakerDAOはさらにもう一つのBlend (BLND)というトークンをリリースしています。これはStakerDAOが販売する投資商品のようなものです。

BLNDはイーサリム上のERC20トークンで、StakerDAOが投資したPoS銘柄のバスケットです。投資をしたトークンはコインベース(Coinbase)カストディに保管されます。また、BLNDはアメリカの投資家が購入できないようにするとしています。BLNDはセキュリティトークンではなく、世界の暗号資産取引所で流通する予定です。

BLNDトークンは6~7月に販売される予定でBLNDトークンを持っている人は投資の意思決定に参加する権利はないものの、受益権を得ることはできます。

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参照:Blend

そして、この売上代金は、PoSトークンの購入に当てられます。どのような銘柄をいつ売買するかはアルゴリズムが決定しますが、そのアルゴリズムを決めるのはSTKRトークンホルダーです。

従来のファンド運営の役割に置き換えるならSTKRトークンでガバナンスされるStakerDAO株式会社はジェネラルパートナーです。そして、BLNDトークン保有者はリミテッドパートナーといったところでしょう。

今回のような新しい分散型ヘッジファンドのような取り組みは他にもいくつかあり、The LAOなどが挙げられます。今後、広く利用されるかどうかに注目されます。

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