3年後には機関投資家が仮想通貨取引市場をほぼ独占する、調査会社リポート

デジタル資産の調査会社アーケーン・リサーチ(Arcane Research)によると、資産運用会社やファンド、銀行など機関投資家は3年後に、暗号資産(仮想通貨)の取引をほぼ独占するだろうと予測しています。リポートは「ドミノ効果が有効に働く結果、機関投資家の需要増の傾向が続くだろうと予測される。一部機関投資家は、この市場に慎重に参入し始めることになる」と述べています。

近い将来仮想通貨市場を独占するのは資産運用者・ファンド・銀行

機関投資家向け仮想通貨取引所LMAXデジタル(LMAX Digital)との協力で作成されたリポートによると、資産運用者やファンドマネジャーが3年以内に、仮想通貨市場の取引量を独占するだろうと固く信じています。

アーケーン・リサーチは「この調査結果は、機関投資家は現在の仮想通貨市場についてなおいくつかの問題を抱えていることを示しているが、彼らは近い将来、中心的役割を果たす見込みである」と分析しています。

現在の好調な仮想通貨市場の2017年とを比較して、アーケーン・リサーチは、現在とビットコイン(BTC)価格が最高値をつけた際(2017年末)の出来事との間には基本的な相違があると、次のように述べています。

「2017年末の市場は、自律的成長とは全く関係なく、規制を受けない投機的なICOによって活気づけられた。注目されたことは、投資家が仮想通貨市場に参入して、巨額の利益を上げることだけだった」

2020年以降、機関投資家が新しい資産(仮想通貨)市場を開放

一方現在の市場サイクル、特に2020年については、「注目されことは、機関投資家が新しい資産市場を開放したことである」として、一例として、米国の電気自動車会社テスラ(Tesla)のような企業が、準備資産としてビットコインを取得して保有するとともに、伝統的な金融機関がビットコインを支援するサービス提供を構築したと分析しています。

アーケーン・リサーチはまた、定評のある金融機関の例を挙げ、彼らが数多くの投資ポートフォリオを通じて、仮想通貨業界で資産を保有することになったと伝えています。その好例は、ゴールドマン・サックスであり、同社がデジタル資産金融サービスのBitGoに資金を注入したことです。さらにVISAが仮想通貨プラットフォームのアンカレッジ(Anchorage)に、ボストン・コンサルティング・グループがデジタル資産市場バックト(Bakkt)にそれぞれ投資、BNYメロンがデジタル資産セキュリティプラットフォームであるファイアロックス(Firelocks)に資金投資したことなどがその例です。

仮想通貨市場の成長は信じがたい速さ

アーケーン・リサーチは「ビットコインは、市場とインフラストラクチャーの成長を通じて、ますます合法化に向かっており、緊急時の資産クラスとして個人投資家や機関投資家の注目を集め続けている」と述べています。

今回のリポートについて、モルガン・クリーク・デジタル(Morgan Creek Digital)の共同創業者であるアンソニー・ポンプリアーノ(Anthony Pompliano)氏はツイッターに、「特に(仮想通貨)市場にわたる機関投資家の関心など、市場が成長する速さは信じがたい」と投稿しました。

参考
Trading Ecosystem And The Emerging Institutional Infrastructure

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