金融庁は2026年3月16日、暗号資産(仮想通貨)の無登録販売に対する罰則を大幅に強化する方針を明らかにしました。

現在開会中の特別国会に提出予定の金融商品取引法改正案では、無登録業者に対する刑罰を、現行の「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」から「10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金」へと引き上げる方針です。

SNSを通じた投資詐欺が急増するなか、無登録業者による勧誘行為を強く抑止し、暗号資産分野の投資家保護を強化する狙いがあります。

SNS型投資詐欺の急増、仮想通貨の無登録販売が問題に

今回の規制強化の背景には、SNSを通じた投資詐欺の急増があります。警察庁によると、2025年のSNS型投資詐欺の被害額は1274億円を超え、前年から大幅に増加しました。

近年は、SNSやメッセージアプリを通じて暗号資産投資を装った勧誘を行う無登録業者が確認されており、こうした違法な販売行為が被害拡大の一因と指摘されています。金融庁は、無登録業者への刑事罰を引き上げることで、違法な勧誘行為の抑止を図る方針です。

2026年3月上旬には、高市早苗首相の名前を無断で使用した「サナエトークン」が無登録のまま販売されていた問題も浮上しました。金融庁が実態調査に乗り出す事態となり、暗号資産分野の規制強化を求める議論が改めて注目されています。

NoBorder溝口氏、サナエトークン騒動を説明|高市首相関与巡る認識ずれで謝罪

仮想通貨規制、資金決済法から金商法へ

これまで暗号資産は、主に「決済手段」として資金決済法の枠組みで規制されてきました。しかし、実際の市場では投機的な売買が中心となっており、株式や金融商品と同様の投資家保護の仕組みが必要だとの指摘が続いていました。

今回の法改正では、暗号資産の規制を金融商品取引法の枠組みに移すことで、インサイダー取引や価格操作などの不公正取引への対策を強化する方針です。暗号資産を金融商品として位置づけ直すことで、従来よりも厳格な投資家保護体制を整備する狙いがあります。

無登録販売の罰則を大幅強化

罰則の強化は、暗号資産規制を資金決済法から金融商品取引法へ移す流れの中で検討されている措置の一つです。

資金決済法では、無登録で暗号資産交換業を行った場合の罰則は「5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金」とされています。これに対し、今回の改正案では「10年以下の拘禁刑または1000万円以下の罰金」となり、刑事罰は大幅に強化される見通しです。

無登録業者による勧誘や詐欺的な販売行為を抑止できるかが、今後の制度運用の焦点となります。

画像:shutterstock

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