米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)は3月17日、暗号資産(仮想通貨)に対する規制の考え方を示す共同ガイダンスを公表しました。
今回の最大のポイントは、多くの暗号資産は証券に当たらないとの見方が明確に示された点です。
これまで市場で議論が続いてきた「何が証券に当たるのか」という問題に、一定の方向性が示されました。
SECのポール・アトキンス委員長は「ほとんどの暗号資産は、それ自体では有価証券ではない」と述べ、従来よりも明確な線引きを示しています。
暗号資産を5分類、証券と非証券の区分を明確化
今回のガイダンスでは、暗号資産を5つのカテゴリーに分類する新たな枠組みが導入されました。これにより、各トークンがどの規制の対象になるのかが、これまでより分かりやすくなります。
ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、リップル(XRP)、カルダノ(ADA)などは「デジタルコモディティ」に分類され、証券ではなく商品として扱われる方向性が示されました。
そのほか、NFTは「デジタルコレクティブル」、アプリの利用に使われるトークンは「デジタルツール」、法定通貨などに連動するものは「ステーブルコイン」と整理されています。
この中で、投資目的で販売されるなど、投資契約の性質を持つものだけが「デジタル証券」として証券法の対象になります。
エアドロップやステーキングの証券該当性も明確化
ガイダンスでは、エアドロップやステーキングについての考え方も示されました。
エアドロップは、利益の約束がなく、特定の運営に依存しない形で無償配布される場合、証券には当たらない可能性が高いとされています。
また、ステーキングについても、ユーザーがネットワークに参加する見返りとして報酬を得るだけであれば、証券には当たらない可能性があります。一方で、第三者が資金を集めて運用し、利益を分配する仕組みは、証券とみなされる可能性があります。
暗号資産の証券リスク後退、アルト市場に影響も
今回の整理は、市場における大きな不確実性の一つであった「証券認定リスク」を後退させる可能性があります。
これまでアルトコイン市場では、このリスクが上値を抑える要因として意識されてきましたが、多くの主要トークンがコモディティとして整理されたことで、評価の前提が変わる可能性があります。
米国内での取引所上場やサービス提供のハードルが下がれば、流動性の改善や機関投資家の参入につながる可能性もあります。
規制から実需へ、暗号資産市場は転換点に
今後は、SECが近く公表予定の正式なルール提案の内容が焦点となります。今回のガイダンスはあくまで解釈であり、法的な拘束力はありません。
規制の方向性を確定させるには、議会で審議が進む市場構造法案の動向も重要になります。
今回の動きは、暗号資産市場がこれまでの「規制リスク」を強く意識する段階から、「実需や資金の流れ」を重視する段階へ移るきっかけになる可能性があります。
参考元:coindesk
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