6月にビットコイン(BTC)の価格が大きく上昇し、一時150万円近くまで達しました。ビットコインの価格はなぜ上がっているのか、これについては分からないという答えが最も適切です。相場は多くの要因が複雑に絡み合って成立しているので、「これが要因だ」と一言で断定することはできません。
とはいえ、今回は相場に影響を与えただろうというニュースを列挙することはできます。ビットコインにポジティブな影響を与えた6月のニュースを5つに絞って振り返ってみましょう。
(参照:Bitbank)
バックト(Bakkt)のテストローンチ日程が決定
バックト(Bakkt)のテストローンチが7月22日から開始すること決定したとの発表がありました。Bakktについて詳しく知りたい人は、下記のコラムでも重要な点をまとめていますのでご覧ください。
関連:ICEの決算発表会で説明されたバックト(Bakkt)について知っておくべきこと
ビットコイン(BTC)のハッシュレートが史上最高に
ビットコインのハッシュレートは常に価格上昇とASIC機器の性能向上に伴い上がり続けてきました。価格とハッシュレートは相関するものの、価格が上がったからハッシュレートが上がるのか、ハッシュレートが上がったから価格が上がるのか、これは人によって見解が異なります。しかし、ハッシュレートはビットコインのセキュリティの堅牢さと同義であり、ファンダメンタルズであることは確かです。
LedgerXに現物でセトルされるビットコイン先物の認可
LedgerXが現物で決済されるビットコイン先物の承認を受けるとの報道がありましたBakktのも同様の現物裏付け先物を提供予定ですが、LedgerXも同様の先物について米商品先物取引委員会(CFTC)より承認を受けました。
これまでCMEなどで上場をしていた先物は、期日に現物との差額を決済する先物ですが、現物裏付けでは決済期日に現物の引き渡しが行われ、より実態に近い取引が行われると見込まれます。
ビットコイン(BTC)のIRA(米国の積立年金)がスタート
ビットコインのIRA(米国の積立年金)が存在します。ビットコインIRAは、老後資産としてビットコインを積立するファンドです。今回、ビットゴー(Bitgo)のカストディと連携して1億ドル(約108億円)までの保険がつくことになりました。
小規模とはいえど暗号通貨もいよいよそういった信頼のあるアセットになったということであり、相場的には継続的な買い主体になります。
KKR共同創業者が暗号通貨ファンドに投資
ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の共同創業者であるヘンリー・クラビス(Henry Kravis)氏が暗号通貨ファンドに投資を行った報道が流れました。KKRはブラックストーンやカーライルと並ぶ、世界有数の運用残高を誇るプライベート・エクイティ・ファンドとして名を馳せています。
今回の投資はKKRからではなく、クラビス氏個人からのファンドへの投資です。投資したファンドは、サンフランシスコを拠点にするパラファイキャピタル(ParaFi Capital)というファンドで、同ファンドは1億ドルの調達を目指しています。
このファンド自体はKKRのような規模ではありませんが、世界的なファンドの関係者も暗号通貨に感心を示しつつあることは間違いありません。
7月の相場に影響しそうなニュースは?
本コラムでは、6月にビットコインの価格上昇に影響を与えた5つのニュースを整理しました。今月7月にはBakktのテストローンチが始まり、また大きく相場が反応することが予想されます。同時にビットコイン以外では、バイナンス(Binance)のアメリカからのアクセスの制限も織り込まれ始めることも相場に影響を与える可能性のあるトピックになります。
参考:Binanceのアメリカからのアクセスの制限や、アメリカの各取引所の規制の影響を考察する
世界最大の取引所が世界最大の市場からアクセス制限することの影響は大きいだろうと筆者は予測しています。
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