習近平のブロックチェーン声明と関連の動向を理解する

中国の習近平国家主席は2019年10月24日に開かれた中国共産党の政治局委員会の会合で、ブロックチェーン技術の応用が新しい技術革新と産業改革において重要な役割を果たすことを強調し、ブロックチェーン関連の取り組みに力を入れていくよう指示したと報道されています。

習近平のスピーチの内容とは?

今回の報道に伴い、同日からビットコイン(BTC)の価格も大きく上昇、注目を集めるニュースとなっています。

習近平国家主席によるスピーチの内容は、中国が他国に先駆けてグローバルスタンダードを作っていくためにもブロックチェーン開発を進めるというものです。

そのために金融や信用データ、地方自治、リスク管理などのリアル領域との統合を推進し、ブロックチェーンを活用するために必要な法的枠組み強化すると語られています。声明発表の翌日、「暗号法」が全人代で可決しました。

暗号化の定義や、政府管理下のスタンダードなどを明記され、それに違反するものへの罰則なども法整備が盛り込まれています。2020年1月1日に施工予定で、それまでの期間、パブリックコメントが募集されています。まさに声明内で語られた必要な法的枠組みの強化が早くも実現しようとしています。

ブロックチェーン声明後の、中国国内での追随する動き

その習近平のブロックチェーン声明後の、中国国内での追随する動きは以下の通りです。まず、共産党機関紙である人民日報でブロックチェーンが一面に取り上げられました。

なおビットコインや暗号通貨に関する言及はなく、声明自体でもビットコイン自体は取り上げられていません。

中国国内のトップ大学でブロックチェーンの講義が開講されることが発表されました。また、各地方自治体も様々な政策を打ち出すことも明らかになっています。WeChatでのビットコインやブロックチェーンに関する検索回数は急激に増加しています。

また、中国の証券取引所におけるブロックチェーンの関連株式は軒並み高騰しているともされます。暗号通貨では、オントロジー(Ontology)やネオ(NEO)といった中国発のブロックチェーンのネイティブトークンが買われています。

今回のような発表は通常、工業通信部(日本における経産省)から発信されますが、本件は首席自らが声明を行ったことで現地では注目が集まっています。同国はすでに中央銀行発行のデジタル通貨も近くに運用開始することを発表しており、これも相応の影響が予想されます。

中央銀行のデジタル通貨がどのような影響を及ぼすかについての論考は下記でレポートしています。

中央銀行がデジタル通貨を発行することについての議論。デジタル通貨は何をディスラプトするか?

ブロックチェーンに関する本気度は疑いようのないものがあると言えるでしょう。今後も同国から様々な展開があると思われ、注視するべきです。

参考
Xi Jinping’s Speech at the 18th Collective Study of the Chinese Political Bureau

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