イーサリアム上のDeFi、Maker DAOのコントラクトにより発行されるUSDにペッグするステーブルコインのDAIは、プロコトルの一部により提供される金利のDSRが7.75%に引き上げ。この年利は株式における年間のリターン平均を上回るパフォーマスとなる。
Maker DAOのDSR再度引き上げ
Maker DAOの新たにローンチしたETH以外にERC20トークンを担保とすることができるMCD(マルチコラテラルDAI)では、DAI価格を1USDへのペッグを安定させるためのガバナンスの一つ、DSR(DAI Saving Rate)がある。これはDAIをコントラクトにロックすると、DAI発行者が払う安定化手数料から捻出された金利を受け取ることができるというものだ。
MCDローンチ時は2%であったが、4%、6%へと引き上げされ、2020年1月に入り7.75%まで引き上げされた。現在Maker DAOによると、DSRには約1億DAIの発行数に対して48%となる4867万DAIがロックされている。
出典:Oasis
米株のパフォーマスを超えるDAI金利
現在のDAIのDSR金利では、米株の年間のリターンをも超えるという。通常米株におけるリターンは平均的に6%前後となっており、このパフォーマスを超えるときもある。だが2008年の金融危機では約70%もの下落を記録しており、これらのパフォーマスから考慮するとDAIのDSRは非常に高い金利を持つことになるのだ。
だが日本人投資家にとってDAIのドルペッグは、いわばドルのロングをしていることと同じとなる。イランと米国との緊張や、リセッション懸念などにより不安定なドルをロングすることはリスクが高いと言えるが、逆に言えば年間で7.75%までの下落が許容範囲であるとも言えるだろう。
現在DAIの安定化手数料は9%となっており、DSRの金利はこの手数料から捻出されている。これらはMaker DAOのERC20トークンであるMKR保有者によるオンチェーンガバナンスにより決定されており、MKR保有者のインセンティブから今後10%を超える可能性もあるといえるだろう。
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