米大手フィンテック企業のロビンフッド(Robinhood)社は、当面暗号資産(仮想通貨)に投資する計画がないことを明らかにしました。
仮想通貨の計上に懐疑的
同社のCFO(最高財務責任者)ジェイソン・ウォーニック(Jason Warnick)氏は、ウォールストリートジャーナル(Wall Street Journal)のヴァーチャルCFOサミットで、「今のところ我々は、ビジネス戦略的な意味合いから、当社の資産を積極的に仮想通貨へと投資するつもりはない」と言明しました。
これはツイッター(Twitter)社のCFOネッド・シーガル(Ned Segal)氏の意見と同様で、ウォーニック氏が会社のバランスシート(貸借対照表)に、仮想通貨を計上することに懐疑的であることを示しています。
サミットに出席した企業のCFOからは、仮想通貨のボラティリティを不安視する意見と、単に会社の投資方針から仮想通貨投資を行わないという意見も上がりました。
需要増と規制との間のためらい
ロビンフッド社が今後の仮想通貨投資をためらうもう1つの要因は、同社を取り巻く規制状況です。ウォーニック氏は「我々は高度に規制された業界の高度に規制された企業であり、規制当局に対してより一層透明性を高めることが重要だと認識している」と述べ、同社がどのように仮想通貨資産に対応すべきか、規制当局の動きを見守る姿勢であることを明らかにしています。
この要因によりロビンフッド社は、新規で新しい仮想通貨を追加していません。ただしこの点についてウォーニック氏は、「我々は、もっと多くの仮想通貨を追加してほしいという、顧客らからの要望を忘れているわけではない」とも述べています。その一例として、2021年の10月以降、顧客がしきりにシバイヌコイン(SHIB)をプッシュしていることを明かしています。
仮想通貨熱が冷めつつあるという見解
ユーザーにとって仮想通貨投資の魅力が薄れつつあることが、ロビンフッド社が動きにブレーキをかけるか検討することにつながった可能性もあります。同社は第3四半期で、仮想通貨取引により5,100万ドル(約58億600万円)の利益を上げましたが、第2四半期の2億3,300万ドル(約265億2,700万円)に比べると大幅に減少しました。
それに応じて同社の株価も、2021年8月の最高値70ドル(約7,970円)から、同年12月にはおよそ25ドル(約2,846円)にまで下落しています。ただし同社の現金および現金同等の資産に関しては、総利益が2020年末の14億ドル(約1,593億9,000万円)から、2021年の9月には61億6,000万ドル(約7,013億1,600万円)にまで増加しました。
参考
・No Further Plans to Put Cash Into Crypto, Says Robinhood CFO
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