ビットコイン(BTC)など仮想通貨取引の日量大きく回復、長い冬の時代の終焉なるか?

ビットコイン(BTC)など仮想通貨全体の取引量(日量)が最近、338億5,000万ドル(約3兆7,000億円)となり、10カ月ぶりの取引増を記録しました。BTCの時価総額は2019年2月22日までの7日間にほぼ10%上昇して、時価総額にして一挙に70億ドル(約7,700億円)ほども増加しました。

仮想通貨市場はほぼ1年、弱気相場に終始してきましたが、今回の取引量の増大が果たして「冬の時代」の終わりを迎え、強気相場に転換するのでしょうか?

ビットコイン(BTC)のリアルタイムチャート

テザー連動ビットコイン(BTC)などの売買が2月19日に過去10カ月最大の取引量をけん引

仮想通貨全体の時価総額はこの間の1週間上昇傾向にあり、全体の時価総額は11%上昇して、ほぼ160億ドル増加しました。仮想通貨の「長い冬の時代」を経験してきた多くの投資家は、流れの変化を期待し始めています。そこまで断定することは時期尚早かもしれませんが、この健全な取引活動が投資家にとって望ましい方向への第1歩になる可能性があるとの見方が、業界に広がっています。

CoinMarketCapの数値によると、仮想通貨取引の日量は2019年2月19日、過去10カ月で最高の取引量に達しました。同社は2,081種の仮想通貨を追跡し、世界全体の取引所で売買された取引量を集計しました。

2月19日の取引量の最高記録は、時価総額が高い10種の仮想通貨の取引量を合算したもので、その日の全取引量の88%を占めるほぼ300億ドルであることが分かりました。中でも最高の取引量を示した仮想通貨は、ビットコインとテザー(USDT)でした。

秒当たり取引は3.8TPSで、10カ月間着実に上昇

そうは言うものの、仮想通貨取引量は2017年の強気市場のそれと比較すれば、ほんの一部に過ぎません。今日までの1日当たり過去最高の取引量は、2018年1月4日に記録されたもので、日量は680億ドルでした。今回のそれは半額にも達していません。

ブロックチェーン(Blockchain)社のデータによると、ビットコインのトランザクション率(Transaction Rate)は現在、3.8トランザクション/秒(TPS)です。この数字は、17年12月半ばに記録した過去最高の4.7TPS以来の高い数字です。BTCは18年2月に6,000ドルまで下落したのに連動して、TPSもまた一時的に下落してはいますが、それ以来、BTCのTPS数値は上昇してきました。(下図参照)

Transaction Rate

この間TPSが確実に上昇しているにもかかわらず、取引手数料は比較的安定して推移しました。17年には、日量が上昇すると、マイナーに払う手数料も値上がりしていました。17年末のBTC価格の高騰の際には、手数料はそれ以前の1ドルレベルから一挙に50ドルになったことは記憶に新しいことです。ちなみに手数料が安定した理由は、SegWitの採用も影響していると考えられます。

SegWit(セグウィット)とは、トランザクションに含まれる電子署名のデータを別の場所に保管して、トランザクションのデータ量を少なくすることで、ブロックに含まれるデータ量を実質的に増やす技術です。

ビットコイン(BTC)に対するユーザーの関心が戻り、有用性が再認識されている

ビットコインのTPS上昇の理由は、ほかにもあります。例えば、ビットコインに対する関心が上向きに転じ、その有用性などが再認識されたことでしょう。

調査会社コインダンス(Coin Dance)のデータによると、フィンランドのビットコイン取引所ローカルビットコイン(LocalBitcoins)のプラットフォームを経由したビットコインのP2P取引が急増しました。またベネズエラやインドネシアでは現在、週間ベースでビットコイン取引量が記録を更新しています。

取引プラットフォームのイートロ(eToro)のシニアマーケットアナリストであるマティ・グリーンスパン(Mati Greenspan)氏は、ビットコインはこのところ、発展途上国での利用増が目立っていると分析をしています。

ビットコイン(BTC)の価格・相場・チャート

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参考
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