元中国仮想通貨三大取引所として世界トップレベルの出来高を誇っていたフォビ(Huobi)が社員の内部リークにより揺れているという。フォビは日本にもフォビジャパンとして進出しており、海外ユーザー向けのフォビグローバル(Huobi Global)ではこの影響で24時間で1647BTC(37.1億)が減少しており日本最大手のビットフライヤー(bitFlyer)を下回る残高となっている。

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人員削減と揺れるフォビ

リークによるとフォビは社員の給料支払をフィアット(ドルや現地通貨)での支払いを辞め、ステーブルコインでの支払いに変更したとされており、この変更に応じない社員は解雇されたという。

支払いが償還可能なUSDCやUSDTといった大手ドル建てのステーブルコインであるとしても、中国人社員にとっては国内への持ち込み難易度が非常に高いため受け入れられないと言えるだろう。

また憶測の段階となるがフォビはトロン(ティッカー:TRX)のジャスティン・サン氏に買収されていることからTRXが裏付けとなるステーブルコイン「USDD」で支払いとなる可能性も考えられるのだ。その場合フォビの財務状況にかかわらず資金を捻出できることから、ステーブルコインへの給与変更と辻褄があうと言える。

さらにフォビはインターナショナル社員との連絡チャンネルを消去しており、最初は否定していた社員の一時解雇もロイターの取材に対して「ジャスティン・サン氏が20%の社員を一時解雇することを認めた」という。

フォビからビットコイン出金が相次ぐ

これらの報道からフォビの仮想通貨取引所トークン「フォビトークン(テイッカー:HT)」は最大で20%の下落を記録している。フォビグローバルの取引高はこの1年で大きく右肩下がりとなり、12月に入ってからの平均の取引出来高は7分の1にも減少しており、手数料収入が大きく減少していることが人員削減や疑惑のあるステーブルコイン支払いへの変更の理由となっている可能性があるだろう。

さらにオンチェーンデータからフォビのビットコイン残高は3.9万BTCとなっており24時間のうちに1647BTC(37.1億)減少している。さらに全体では24時間で総額114億円の残高が減少しており、巨額の出金が続いている。

FTXグループの破綻はこのような取り付け騒ぎの巨額出金が収まらなかったことで崩壊しており、仮想通貨投資家はリスクを避けるために仮想通貨取引所からの出金を急いでいるということを示している。

自身の資産を守るために仮想通貨取引所に必要のないビットコインやイーサリアム等をウォレット代わりに保管するのは避けるのが好ましいだろう。

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