近年、スマホ決済やキャッシュレスという言葉が徐々に注目を集めつつあります。
そのうちの一つで、特に人気なのが「LINE Pay(ラインペイ)」です。
身近なコミュニケーションアプリ「LINE」でお金のやりとりができるとしてユーザーが増えていますが、そのメリットは店舗側にもあります。単にスマホ決済を導入できるだけではなく、新規の集客面でも大きな効果を発揮する可能性があるため、今回はLINE Payの加盟店登録方法について詳しく解説します。
決済サービス「LINE Pay(ラインペイ)」とは?
LINE Payとは、お馴染みのアプリLINEからリリースされた決済サービスです。近年はキャッシュレス化の促進に伴って、クレジットカード、デビットカード、アプリなどによるスマホ決済の利用者が増加傾向にあります。
LINE Payは、このスマホ決済を可能にしたアプリであり、送金や決済処理、チャージや口座振替の際には、運営元のLINE Pay株式会社と各機関との間で処理が行われています。
LINE Payは登録も非常に簡単であり、ユーザーはLINEアプリと銀行口座のみを用意すれば利用することが可能。セキュリティの面でも銀行口座などの情報がすべて暗号化されるなど、安心で安全な決済で支持されています。
LINE Payに対応する店舗も増えており、今後の需要はさらに高まっていくことでしょう。LINE Pay決済を利用することで、ユーザー側は店頭での支払い時などに現金の計算をする必要がなくなります。
その他にも、LINE Payは「マイカラー制度」というものを導入しており、決済金額によって0.5%~2%のポイントを貯めることが可能です。
LINE Pay(ラインペイ)加盟店になるメリット
企業や店舗がLINE Payを導入するメリットはどこにあるのでしょうか?
まず、LINE Payの最も大きなメリットは、多くの利用者数が期待できるということが挙げられます。
LINE Payは、LINEアプリをダウンロードすることで誰でも登録可能。LINEは月間アクティブユーザーが7,500万人を超えています。
日本の人口は2017年の時点で約1億2,000万人ですから、LINEは2人に1人以上の割合で使用されている計算です。そのため、スマホ決済サービスにLINE Payを選択する方も少なくありません。
ユーザーは店舗での支払いや各種サービス利用時に、希望の支払い方法がなければ離脱することもあります。
つまり、企業や店舗が提供する商品・サービスが魅力的でも、決済方法が合わなければユーザーは別の企業や店舗に流れてしまう可能性があるということです。
これは企業や店舗にとっての損失を意味します。LINE Payの国内登録ユーザー数は2017年に3,000万人を突破しました。そのため、支払い方法にLINE Payを希望する方が多いのです。
支払い方法が理由で顧客を離したくない企業・店舗にとっては、LINE Payを導入するメリットは非常に大きいと予測できます。
また、詳細は後述しますが、LINE Payはクレジットカードよりも決済手数料が安くなります。決済手数料が安くなることで、店舗の利益憎も期待することができます。
LINE Pay(ラインペイ)加盟店の手数料は?
LINE Payの加盟店が負担する決済手数料は、決済方法によって異なります。
以下に、決済方法ごとの手数料をまとめましたのでご覧ください。
決済方法 | 決済手数料 | 導入費用 | 月額費用 |
据置端末 | 0% ※2021年7月31日まで |
0円 | 0円 ※端末利用料が6ヶ月間 |
店舗用アプリ | 0% ※2021年7月31日まで |
0円 | 0円 |
POS | ~3.45% | 0円 | 0円 |
プリントQR | 0% ※2021年7月31日まで |
0円 | 0円 |
StarPay(スターペイ)端末 | 3.45% | 0円 | 0円 |
オンライン決済 | 物販・サービス:3.45% デジタルコンテンツ:5.5% |
0円 | 0円 |
このようにLINE Payには6種類の決済方法があり、それぞれ手数料が異なります。
据置端末、店舗用アプリ、プリントQRは2021年7月31日まで決済手数料が無料。それ以外は、購入する商品の種類(物販、デジタルコンテンツなど)に応じて手数料が変わってきます。
LINE Pay(ラインペイ)加盟店の登録方法は?
ここからはLINE Pay導入に必要なもの、店舗での導入が可能な決済方法、加盟店申請の流れを解説します。
LINE Pay(ラインペイ)の導入に必要なもの
LINE Payの加盟店申請時に必要なものは、法人、個人事業主によって変わってきます。
申請者が法人の場合
・登記簿謄本(履歴事項全部証明書)※発行より半年以内のものを用意すること
申請者が個人事業主の場合
<事業者証明書>
以下のいずれか1点を提出
・国税・地方税の領収書または納税証明書
・個人事業開業届出書(控) ※税務署受付印が押印されたもの
・確定申告書(控) ※直近の税務署受付印が押印されたもの
・青色申告承認申請書(控) ※税務署受付印が押印されたもの
・個人事業開始申告書(控) ※都道府県税事務所や市区町村役場の受付印が押印されたもの
<本人確認書類>
以下のいずれか1点を提出
・運転免許証 ※表裏必要
・健康保険証 ※表裏必要
法人・個人事業主共通の資料
<オンライン(ECサイト)等での利用申請の場合(任意)>
・申請URLの情報以外での取扱商品、サービス説明資料
<店頭決済でのご利用申請の場合>
・各種営業許可証 ※開業にあたり営業許可を取得している場合
以上がLINE Payの加盟店申請時に必要になる書類です。
また、上で記載した書類以外にも必要に応じて追加書類の提出を求められることがあるため、該当する方は柔軟に対応するようにしましょう。
その他、LINE Payの加盟店事業主が未成年の場合は、法定代理人(基本的には親)の同意書を提出することで利用可能です。
店舗で導入可能なLINE Pay(ラインペイ)の決済方法
前述のようにLINE Payには全部で6種類の決済方法があります。しかし、このうち実店舗で導入できる決済方法は4種類です。
ここからは、店舗で導入できるLINE Payの決済方法をお店の規模別に紹介します。
小規模~中規模店舗向け
小規模、中規模クラスの店舗に適した決済方法は以下のとおりです。
- LINE Pay据置端末
- LINE Pay店舗用アプリ
- プリントQR
- StarPay端末
LINE Pay据置端末は、電源を入れるだけですぐに決済が可能であり、LINE Pay店舗用アプリは、文字通りアプリ上でQRコードを読み取ることで簡単に決済が完結します。
また、QR提示型のプリントQRは、機器の設置や専用アプリ不要の決済方法となり、StarPayは端末を起動し、QRコードを読み取ることで決済が可能です。
ちなみにStaerPay端末は、レシートの発行やLINE Pay以外のスマホ決済にも対応しています。StarPayで決済が可能なその他のサービスは、WeChatPay(ウィーチャットペイ)、AliPay(アリペイ)です。
これら4つの決済方法は、いずれも特徴が異なりますが、導入費用が発生しないため、小規模、中規模店舗でも気軽に取り入れやすいというメリットがあります。
中規模~大規模店舗向け
全国的に知名度のある店舗や大型チェーン店などの中規模~大規模店舗も上記4つの決済方法はもちろんおすすめです。
また、LINE Payでは中規模~大規模向け店舗の決済方法として、POSレジと連携した決済を提供しています。これは、現在利用しているPOSを改修することで、LINE Payのコード(QRやバーコード)決済が可能になる仕組みです。
POSの改修やPOSレジの導入には大きな費用が発生するため、資金力に乏しい小規模の店舗ではすぐに導入が難しい決済方法でもあります。
POSレジは商品情報の集計や管理も可能になり、売上向上につながりやすいというメリットもあります。このような理由からQRやバーコード決済の導入を検討している企業、店舗はPOSレジとセットで導入するのもおすすめです。
LINE Pay(ラインペイ)加盟店申請の流れ
ここからはLINE Payの加盟店申請の手順を紹介します。
まずはLINE Payの公式サイトにアクセスしましょう。
トップページへのアクセス完了後、「LINE Pay加盟店申請」をクリックしてください。
次に、LINE Pay加盟店申請ページへアクセスしたら「お申込み」をクリック。
申込みページへアクセスしたら、まずは以下の項目にチェックをつけていきます。
- 事業種別
- 支払い方法
- 利用サービス
ページ下部にスクロールしていき、以下の規約を確認します。
- LINE Cash(ラインキャッシュ)加盟店規約
- LINE Money出店規約
- プライバシーポリシー
確認したら「この規約に同意します」にチェックをつけ、ページ下部の「次へ」をクリックします。
「次へ」をクリックすると以下の情報を入力するページへ飛ぶので、ひとつずつ埋めていきましょう。
- アカウント情報
- 会社情報
- 代表者情報
- 代表者自宅情報
- 担当者情報
- 清算金額振込口座
入力が完了したら、「次へ」をクリック。
最後に必要書類をアップロードして、ページ下部にある「申請する」をクリックしてください。
これでLINE Payの加盟店申請の手続きは完了です。
ちなみに、審査結果の連絡までには約10営業日前後かかります。
LINE Pay(ラインペイ)が使えるお店は?
LINE Payは2018年に加盟店100万を突破しました。そのため、今では街中でよく見かける有名店でもLINE Payを使った決済が可能に。
以下にLINE Pay決済が可能な店舗の一部を、決済方法の種類ごとにまとめましたのでご覧ください。
決済方法の種類 | 利用可能な主な店舗 |
コード決済 | LAWSON(ローソン) ヤマダ電機 ベスト電器 ケーズデンキ ビックカメラ コジマ ソフマップ 松屋 エディオン カメラのキタムラ |
オンライン決済 | ZOZOTOWN 新ラクマ SHOPLIST.com HMV ONLINE LINEチケット LINE STORE 出前館 ミュゼプラチナム Joshi web ショップ まんが王国 |
請求書払い | 東京電力エナジーパートナー 九州電力株式会社 東北電力株式会社 神奈川県企業庁 マキアレイベル ティーライフ株式会社 メガネスーパー公式通販 東京海上日動火災保険株式会社 株式会社JTB商事 株式会社ファンケル |
LINE Payは一般的なオフライン店舗、オンライン店舗の他にも電力会社も加盟しているため、毎月の電気代もスマホ決済で支払うことが可能です。
また、LINE Payは、LINE PayカードといってJCB加盟店で利用できるチャージ式のプリペイドカードも発行しています。
このカードを発行することで、LINE Payが利用できない店舗でも、JCB加盟店であればLINE Payの残高を使って支払うことが可能になります。
LINE Pay(ラインペイ)加盟店になって新規集客
LINE Payは国内7,500万人以上のアクティブユーザーを誇るLINEが提供するスマホ決済サービスです。
LINE Payは決済金額に応じてポイントを貯めることができますので、実質割引価格での購入やサービス利用が可能な決済手段です。LINE Payの利用者数は増えており、加盟店の需要は年々高まっています。
このような理由から、LINE Payを導入することでポイントを貯めたい購入層などを効率的に集客することも可能と期待されます。また、「メッセージ配信」「クーポン発行」「友達追加機能」なども利用できるため、新規の集客面に対しても大きな効果を発揮。
現在、クレジットカードの決済手数料の高さや新規集客でお悩みという店舗の方はぜひ参考にしてみてください。