コーネル大学の教授であるエミン・ギュン・サイレール(Emin Gün Sirer)氏が設立したAva Labsが、独自ブロックチェーンAvaのプライベートテストネットが公開されました。
匿名チームによって開発された独自ブロックチェーンとは
同プロジェクトは長らくステルスで開発をされていましたが、ニューヨークのブロックチェーンウィークのカンファレンスのうちの一つトークンサミット(Token Summit)で発表されました。
Avaは、VISAレベルのトランザクション処理能力があり、十分に分散していることが特徴であるとアナウンスされています。また、ブロックの承認は1.35秒で行なわれるとしています。
同プロジェクトは、2019年2月に、アンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz)やポリーチェーンキャピタル(Polychain Capital)、コインベース(Coinbase)の最高技術責任者(CTO)であるバーラージー・ス リ ニ バ サ ン(Balaji Srinivasan)氏、メタステイブル(MetaStable)など業界のトップのベンチャーキャピタルから、600万ドル(約6億5,000万円)の資金を調達しています。ネットワークは数ヶ月以内にパブリックになり、同時にコインも発行される予定です。
Ava Labsが開発するブロックチェーンは、アバランチ・プロトコル(Avalanche Protocol)というコンセンサスアルゴリズムを採用しており、同アルゴリズムは匿名のグループ「Team Rocket(ポケモンに登場をするロケット団から参照)」によって提案されました。現在も匿名のチームによって開発が行なわれています。
コンセンサスアルゴリズムのホワイトペーパーは下記です。
参照:Ava Labs, Inc.
Avaではユーザーがトークンを発行できる他、インターオペラビリティの機能も持ち合わせる予定であるとしています。
長くブロックチェーンを研究する創業者
創業者のサイレール氏は、コーネル大学で長く暗号通貨・ブロックチェーンの研究をしており、論文を複数発表しています。
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サイレール氏は、以前、ビットコインでは90%のハッシュレートを、16のマイニングプールが保持していて、イーサリアムでは90%のハッシュレートを11のマイニングプールが保持している。さらに、ビットコインでは51%のハッシュレートを、4のマイニングプールが保持。イーサリアムでは51%のハッシュレートを3のマイニングプールが保持していることを指摘し、話題になりました。
Avaが今後、どのような立ち位置を目指すか現時点でわかりませんが、ローンチが近づくに連れ、明らかになるでしょう。関わっているチームもサイレール氏以外は匿名。それでも業界の大御所である投資家が集まるだけに、今後の展開が注目されます。
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