仮想通貨のドミナンスとは一体どういうものでしょうか?基本的な考え方を分かりやすく解説します。
ドミナンスとは?
ドミナンス(Dominance)とは、市場占有率(シェア)のことです。例えば、コインAのドミナンスは、「コインAの時価総額 ÷ 仮想通貨市場の時価総額 × 100 = 〇〇%」で導き出します。別の表現でいうとドミナンスは、「あるコインの時価総額」が「仮想通貨市場の時価総額」に対してどのくらいの割合を占めているかを数値で示したものとなります。
一般的にドミナンスというと、「ビットコイン・ドミナンス」を指します。それでは、2019年6月初時点におけるビットコイン・ドミナンスを計算してみましょう。まず、ビットコインの時価総額は約15兆1,550億円です。この数字をXとします。次に、仮想通貨市場の時価総額は約27兆1,280億円です。この数字をYとします。これを先ほどの計算式に当てはめると、「X ÷ Y × 100 = 約55.9%」となります。つまり、ビットコイン・ドミナンスは、約55.9%と分かります。
上では説明のためにドミナンスを計算して出しましたが、いちいち計算をしているのでは手間がかかります。webには、ビットコインに限らずアルトコインのドミナンスを分かりやすくチャートで示しているサイトがいくつかありますので、確認したい時はそちらを参照しましょう。例えば、「Coin Market Cap」もドミナンスのチャートを公開しています(下記画像参照)。
ドミナンスから分かること
ここまでで、ドミナンスとは何かについて理解していただけましたね。次に考えたいことは、ドミナンスを知ることがどのように役に立つのかについてです。本章では、三つの基本的な考え方を解説します。
ビットコイン VS アルトコイン
ドミナンスを見ることで分かることの代表は、ビットコインとアルトコインのどちらに資金が流れているかです。ビットコイン・ドミナンスが上昇し、アルトコイン・ドミナンスが減少している時は、「資金がビットコインに流れている」ことが分かります。対して、ビットコイン・ドミナンスが減少し、アルトコイン・ドミナンスが上昇している時は、「資金がアルトコインに流れている」ということです。これによって、仮想通貨市場における資金の流れを把握することができます。
どの仮想通貨に資金が流れているか
ドミナンスは、時価総額の大きいコイン(イーサリアムやリップルなど)なら、個別に確認することができます。よってドミナンスの動きを見ることで、どの仮想通貨に資金が流れているかを知ることができます。つまり、どの仮想通貨に勢いがあるのかを見る一つの指標になるということです。
ドミナンスと価格相場の相関性
ドミナンスと価格相場の相関性については、明確な答えはありません。ただ、両者の間に一定のパターンがあると論じている方も少なくはないです。このトピックに関しては、以下の記事が参考になるでしょう。
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上の記事に書かれているように、ドミナンスを定点観測して、相場の動きに仮説を立ててみることも役に立つかもしれません。
まとめ
本記事では、ドミナンスについて解説しました。ここまで読んでいただいた方は、ドミナンスの基本については、間違いなく理解していただけたでしょう。後は、記事で紹介した内容を基に、ドミナンスに対する自分独自の考えを持ち、上手に活用していただければと思います。
(文・師田賢人)