ユーロポール、仮想通貨ゲームを開発
ユーロポールは仮想通貨を追跡するシリアスゲームの開発を進めている。仮想通貨が絡んだ犯罪への調査能力の向上がその目的の一つだ。

ユーロポール、仮想通貨ゲームを開発

欧州サイバー犯罪センター(EC3)が主催する仮想通貨カンファレンスが先日行われ、ユーロポールは仮想通貨を追跡するシリアスゲームの開発を現在進めていることを公表した。

EC3は、欧州連合の専門機関である欧州刑事警察機構(ユーロポール)に所属するサイバー犯罪を取り締まる部門である。

シリアスゲームとは、娯楽目的だけではなく、ゲーム内の教育コンテンツなどを通した社会問題の解決を目的としたコンピュータゲームのこと。

同ゲームは、10月に開催される「Europol-INTERPOLサイバー犯罪カンファレンス」に合わせたローンチを予定し、セキュリティを中心にリサーチを行う「CENTRIC」と共同で開発が行われる。10月には、7度目の開催となる「ユーロポール-インターポール・サイバー犯罪会議」で開始予定だ。

このゲームは法執行機関の職員が主な利用対象者となり、仮想通貨への理解が深まるだけではなく、ゲームを通じ、仮想通貨が絡んだ犯罪への調査能力の向上が期待されている。

ユーロポールがこうした取り組みを行う理由には、犯罪幇助サービス(CaaS)を提供する犯罪組織が増加している点が挙げられるだろう。

2017年に公表された評価報告「SOCTA」内では、特に(仮想通貨取引を含む)オンライン取引の分野で、既存の金融機関によるインフラを必要としないことから、犯罪ビジネスの運営が容易だと述べており、規制当局側はそうした流れを断ち切りたい格好だ。

このカンファンレンスは、仮想通貨に関係する犯罪の防止及び検出の促進をテーマとしており、上述した発表の他にも、ユーロポールの専門家らがフィッシング詐欺やDDoS攻撃、仮想通貨の盗難事件などの捜査事例をもとに、知見の共通を行った。

一方で、民間企業からの登壇者からは、法の適用範囲内での仮想通貨のユースケースなどを紹介。法に則したサービス展開の推進に努めている。

CoinPostの関連記事

欧州刑事警察機構(ユーロポール)、仮想通貨利用のマネロン犯罪を本格捜査
ユーロポールが、スペインを拠点に仮想通貨の大規模資金洗浄サービスを提供していた犯罪組織の実態解明に向け支援を行なっていた。スマーフィングなどの手口が明らかに。
FATF、仮想通貨の規制ガイドラインを6月21日に発表予定|従来銀行の電信送金水準に
FATF(金融活動作業部会)が暗号資産の監督法を明確化するための「ガイドライン」を、6月21日に公表する予定であることがわかった。仮想通貨取引所などを銀行のように規制するなど、ビットコイン相場への影響も注目される最重要ファンダとなる。
おすすめの記事