ビットポイント(Bitpoint)の記者会見で語られるハッキングの真相と今後について

7月12日に約30億円の仮想通貨の不正流出が発覚した株式会社ビットポイントジャパンが16日、記者会見を行った。同社代表取締役社長の小田玄紀氏と取締役COO朏仁雄氏が事件についての謝罪と今後の経緯について説明があった。

今回の不正流出の要因として、秘密鍵を管理するウォレットサーバーが不正アクセスを受けた可能性が高く、同社の11万人の会員のうち約5万人の資産が流出したとの説明があった。今後の対応として、外部専門家の協力を得ながら、商用システムログの調査と分析やホットウォレット実装における脆弱性調査、不正流出先の調査と追跡などを行っているとし、海外の海外の仮想通貨交換所運営事業に対しても協力要請を実施している。また内部の犯行についての可能性は、現時点は調査中と回答している。

また同社が仮想通貨取引システムを提供する海外の交換所の一部でも日本国内と同時期に仮想通貨の流出を確認しており、その額は約2億5,000万円になる見込み。

サービスの再開については、セキュリティの確保が大事だと考え、まだ未定だとし、顧客資産分の流出については全て仮想通貨での返金という現物補償という形を取ることが決定しているが、その時期についても未定。

ビットポイント(Bitpoint)の記者会見

流出の経緯

今回流出された仮想通貨の銘柄はビットポイントで取り扱いを行っていた銘柄5種全てが流出したことになる。実際に流出した数量等内訳は下記のように、記者会見の資料で公表された。

仮想通貨の銘柄 流出数量 評価額 うち、顧客資産 うち、保有分
ビットコイン(BTC) 1,225BTC 15億3,000万円 12億8,000万円 2億5,000万円
ビットコインキャッシュ(BCH) 1,985BCH 7,000万円 4,000万円 2,000万円
イーサリアム(ETH) 11,169ETH 3億3,000万円 2億4,000万円 8,000万円
ライトコイン(LTC) 5,108LTC 5,000万円 4,000万円 1,000万円
リップル(XRP) 28,106,343XRP 10億2,000万円 4億4,000万円 5億8,000万円

流出額は7月11日16時時点のレートで換算して、約30億2,000万円と発表されており、その内7割ほどになる約20億6,000万円が顧客資産であり、残りの3割に当たる約9億6,000万円がビットポイントジャパンの保有分だという。

ハッキングから流出が発覚し、対応に及んだ経緯としては以下の通りである。

日時 発覚からの経過時間 対応内容
2019年7月11日22時12分 (発覚) XRPの送金に関するエラーを検知し、情報システム部門等で対応を開始。
2019年7月11日23時39分 1時間27分経過 XRPの不正流出を確認。他の仮想通貨についても同様に流出していないかの調査を開始。
2019年7月12日2時00分頃 約3時間45分経過 XRP以外の仮想通貨の不正流出が確認される。
2019年7月12日3時00分頃 約4時間45分経過 ビットポイントジャパンにて緊急会議を実施
2019年7月12日6時30分頃 約8時間15分経過 取扱い仮想通貨全種の送受金を停止。
2019年7月12日10時30分頃 約12時間15分経過 仮想通貨の売買・交換を含んだ全サービスが停止される。

金融庁からの業務改善命令の報告義務が同年6月28日に解除されてから、わずか15日で発生したハッキングだった。

参考
当社子会社における仮想通貨の不正流出に関するお知らせとお詫び(第一報)
当社子会社における仮想通貨の不正流出に関するお知らせとお詫び(第二報)
当社子会社における仮想通貨の不正流出に関するお知らせとお詫び(第三報)

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