米最大手仮想通貨取引所のコインベース(Coinbase)は、英国最大手銀行でビッグ4の一角であるバークレイズ銀行との提携を失っており、英国ユーザーのポンド入出金のためにチャレンジャーバンクであるClearbankとの提携を画策しているとCoindeskが報道。
バークレイズとCoinbaseへのFPS提供
バークレイズとはイギリスの4大銀行の一角で、日本で言う3メガの三井住友銀行などの立ち位置にある。設立は1896年であり、イギリスで知らない人はいない銀行だと言えるだろう。Coinbaseはサンフランシスコベースの米国最大手の仮想通貨取引所で、バークレイズとの提携により即座に銀行間で送金が可能なリアルタイペイメントシステムU.K. FPS(Faster Payments Scheme)をユーザーは使用することができ、ポンド(GBP)の即座の入出金が可能だった。
Coinbaseがバークレイズとの提携を失ったことで、英国のCoinbaseユーザーはFPSへのアクセスができなくなる。Coinbaseの公式発表によると、「2019年7月31日12:01am BSTより、FPSによるポンドの入出金サポートを一時的に取り除く」との述べ、代わりに英国ユーザーに対し8月1日から8月15日にかけて取引手数料の割引を行うという。
チャレンジャーバンク ClearBank
チャレンジャーバンクとはネオバンクともよばれ、近年ベンチャーキャピタルによる多額の投資をされ注目されている英国の新興小売銀行を指す。CoinbaseがFPSを英国ユーザーに提供するために提携を進めているClearBankもチャレンジャーバンクの一角で、ここ数年急成長を記録している銀行の1つだ。
Coinbaseはバークレイズ銀行との提携の代わりにClearBankと新たに提携し、第三四半期までに英国ユーザーへのFPS提供再開を画策しているという。Coinbaseとバークレイズ銀行は共にコメントを差し控えている。
FPS停止時の英国ユーザーへの影響
Coinbase Blogによると、FPS停止中でもビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨をデビットカードや、クレジットカードで最短で購入できるとしている。その他のオプションとして、加盟国で小口決済ができるSEPA Payment(Single Euro Payment Area Payment)を使用したユーロのデポジットや1万ポンド(約128万円)以上のSWIFT送金によるデポジットなどがある。
またCoinbaseからの資金引き出しにはペイパルアカウントへのポンド引き出し、同様にSEPAペイメントへの出金、1万ポンドのSWIFT送金、Coinbaseが発行するVisaデビットカードからのATM引き出しなどの選択肢があり、FPSほどの早さはないがポンドの引き出しやビットコインの売買は問題なくできるようだ。
参考
・Barclays Is No Longer Banking Coinbase
・Temporary change to GBP bank deposits and withdrawals for Coinbase UK customers
【こんな記事も読まれています】
・仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)で相次ぐ幹部の辞職、業界の勢力図に変化か?
・コインベース(Coinbase)がニュートリノ(Neutrino)を買収、ブロックチェーン分析企業の可能性
・大手仮想通貨取引所バイナンス(Binance)とコインベース(Coinbase)との競争が激化