ベネズエラが中央銀行のバランスシートにビットコインを組み入れ検討、BTCの長期的価値とは?

中央銀行のバランスシートとは?/h2>

ベネズエラの中央銀行がバランスシートにビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の組入を検討していることをブルームバーグ(Bloomberg)が9月26日に報道しました。

バランスシート(貸借対照表)は、ある時点の企業や銀行の財務状況がどうなっているかを表したものです。左側に「資産」、右側に「負債および純資産」を記載し、資産を買った費用がどこから出たかを示します。左右の合計額は一致します。

中央銀行も貸借対照表を作成、発表しています。中央銀行は紙幣を発行する唯一の金融機関であり、日本においては日本銀行です。

中央銀行のバランスシートの資産には何が計上されるのでしょうか。日本銀行においては日本国債が資産として増えています。これは日本銀行が自ら発行した紙幣で、日本国債を日本政府から購入しているためです。

そして、資産が自国国債だけに偏ると、中央銀行の債務状況にリスクが大きくなるため、外国為替や金なども資産として保有しています。執筆時点での日本銀行のバランスシートは下記から閲覧できます。

参考:営業毎旬報告(令和元年9月20日現在)

ビットコイン(BTC)の長期的価値とバランスシートにを組み入れる意味

一般的な国の中央銀行であれば、世界で最も安全な資産である米ドルや米国債をバランスシートに組入するでしょう。しかしながら、ベネズエラは米国から経済制裁を受けています。国家という巨大な集団であるにも関わらず、米ドルの国際間での銀行決済を止められています。

そういった国にとって、ビットコインや独自の暗号通貨に希望を見出すことは自然な流れだろうということが筆者の感想です。また、米国と国交が望ましくないにも関わらず、資産の安全性の理由から米ドルや米国債を保有しなくてはならないということは、感情的にも本当は保有量を少なくしたいということもあるでしょう。

もしこれが現実になればですが、ベネズエラ国内において、中央銀行によるビットコイン需要が創出されれば、ベネズエラ政府にとって売りたいけど経済制裁の影響で販売できないベネズエラの原油在庫を安く仕入れようとするところは出てくるかもしれません。

ベネズエラの中央銀行は現在、バランスシートへのビットコイン組入は検討段階であるものの、筆者個人的には10年以内に少なくとも10の国の中央銀行がビットコインを組み入れすると予想しています。

それだけに米国と不仲な国は数多いからです。また、現在、米中で貿易戦争が起きていることが象徴的ですが、世界各国が自己中心的になるほど無国籍通貨・アセットが価値を持つことは自明です。

参考
Venezuela Has Bitcoin Stash and Doesn’t Know What to Do With It

【こんな記事も読まれています】
ビットコイン(BTC)の取引が急増するベネズエラ、2019年はすでに70億円以上
ハイパーインフレ国家ベネズエラで起こる、政府の動きと草の根運動
内部リンク


d10n Labのリサーチコミュニティでは、ブロックチェーン業界の動向解説から、更に深いビジネス分析、技術解説、その他多くの考察やレポート配信を月に20本以上の頻度で行なっています。コミュニティでは議論も行えるようにしており、ブロックチェーン領域に積極的な大企業・スタートアップ、個人の多くに利用頂いています。
▼d10n lab 未来を思考するための離合集散的コミュニティ
https://d10nlab.com

おすすめの記事