どうも墨汁うまい(@bokujyuumai)です。
イーサリアム(ETH)価格は12月に年間最安価格となる79ドルを記録、これは年始の最高価格である1,413ドルから約94.6%の下落となります。
本稿では価格に大きな影響を与えるコンスタンティノープルのEIP-1234をすぐに控えているETHのテクニカル分析を行いました。
ドミナンスから見るETH回復の兆し
イーサリアムのドミナンスを確認すると、8.5%まで下落したイーサリアムは2%の回復を記録して10.52%となっています。対して、約57%まで回復していたビットコインは35万円から約11万円の価格上昇とともにドミナンスが6%低下しており、BTCからアルトコインに資金が流れたと見られます。
さらに詳しく見ると、10月の比較的ドミナンスが安定していた頃と比較し、12月はETHとBCHの大幅な下落が見られます。これは、ETHはICOプロジェクトが続々と資金確保のためのETH売却をしたのが原因で、BCHはハッシュウォーが原因とみられるでしょう。
そんな中XRPは10月に高騰し、BTC建てで安定していることからETHとBCHから資金が流れたと見られます。ETHドミナンスは9月の水準まで回復していることと、BTCのドミナンスは高騰時に下がる傾向にあるため、BTC建てでの資金流入が予測できるでしょう。
イーサリアムマイナーの売りに警戒
現在、イーサリアムネットワークのハッシュレートは約170TH/sを推移しています。このハッシュレートで、1ヶ月に1ETHを掘るために必要なハッシュレートは318MH/s必要となります。この数値を使って、ETHのレジスタンスを考察してみましょう。
GTX1060 6GBが1枚で21MH/sなので、約15枚のGPUが必要であるということになり、1枚の消費電力が約110Wなので、電力変換効率を考慮した場合、約2200W必要であると仮定することができます。
*同じチップを使用しても、会社ごとでハッシュパワーは違い、OCで消費電力も変わりますが、ここでは固定とします。中国は人件費が高く付きますが、その他冷却(排熱)などの費用は無視します。
ここで、中国の電気代を平均3円、米国の電気代を約10円、日本は24円とした時、1ETHの損益分岐点は
米国・・・約15,800円
日本・・・約38,000円
となります。すでにマイニングリグの元投資の回収を終えているマイナーは、損益分岐点での撤退インセンティブがあることから、16,000~20,000円である程度の売り圧が発生することになると仮定することができるでしょう。
テクニカル分析
執筆現在イーサリアム価格は、0.035BTC前後を推移しています。これは、12月初旬に下髭①を記録する暴落とともに、約1年ぶりともいえる急激な出来高を伴う買い上げによりセリクラ(セーリングクライマックス)を底とした、ソーサーボトム③を①ヶ月かけて形成。今回の高騰のシグナルとなりました。
一度、日足の100日線で価格停滞を少ししたものの、100日線がサポート④となり、マイナーの損益分岐点の価格帯⑤へと突入しています。ここからのプライスターゲットは200日線と2万円のレジスタンスとなる0.042~0.043BTC⑥となりますが、マイナー売りと年末にビットコインが下落する可能性を考慮すると、短期利食い水準なので気をつけましょう。
大幅な高騰を伴ったため、なにかインサイダーで出ている可能性もありますが、目線は上目線で利確ポイントを探るというイメージとなります。
結論と考察
コンスタンティノープルの実装が1ヶ月以内となった今、33%のマイニング報酬減少となるEIP-1234は、そのままマイナーの損益分岐点が33%上昇することになります。
現在のビザンチウム実装時のマイニング報酬減少後に高騰したことを考えると、来年の2月のビットコインETFの結果発表にかけて、
ビットコイン回復
↓
供給の減少による需要の逆点
↓
ETH高騰
という展開が期待できると言えます。今回のセリクラの出来高から、来年のイーサリアム価格は現在よりポジティブな展開になると考えられるでしょう。
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