先日定例のCoinGecko四半期業界レポート19年Q3版を公開しました。

2019年Q3は全体で約30%仮想通貨の時価総額が下落し、特に9月後半を中心に弱気な相場となりました。また仮想通貨価格のクラッシュに伴い取引高も42%と大きく下落しました。Q3は仮想通貨マーケット的には不調な期になったと言えます。

(ただしこのレポートを公開してすぐ後に中国のブロックチェーン宣言を受けて、一日で価格が40%上昇する、という自体も起こり、少しづつ状況が変わってきています)

その一方で、仮想通貨デリバティブ市場が海外を中心に盛り上がりを見せ始めています。

Q3開始時には6つだったデリバティブ取引所は、Q3終わりには約3倍の17にまで数を増やしました。また、デリバティブ市場全体の一日での取引高は現在1兆円程度につけています。特にQ3にデリバティブ市場をローンチしたBinance Futuresは取引高を順調に伸ばしてきており、10/25時点で一日約500億円の取引高を記録し、ビットコインデリバティブ市場全体の取引高の13%までマーケットシェアも上昇しています。

一方、日本では先日先物取引の最大レバレッジが4倍まで引き下げられ(Bitmexは最大100倍)、今年5月にはデリバティブ、現物含み12兆円以上あった国内のビットコイン取引高も、9月には4兆円以下にまで落ち込んでいます。

一時期は世界的にも有数の取引高をbitFlyerの先物(bitFlyer Lightning)も、現在世界でのマーケットシェアは36%で一位のBitmexに差を付けられ、16%で第二位。前述のBinanceのBTC-USDTが目前まで迫ってきています。(データはBitcoin日本語情報サイト のものを参照)

Bakktのローンチなども含め、世界的には仮想通貨デリバティブ取引が盛り上がり今後取引高もさらに伸びていくことが想定されますが、日本でのデリバティブ取引は相対的に縮小していく可能性が高そうです。

このようなトレンドを考慮し、CoinGeckoのサイト上で新たに仮想通貨デリバティブデータのページを世界に先駆けて新設しました。

世界中の仮想通貨デリバティブ取引所の価格やスプレッドの情報に加えて、デリバティブ取引のタイプ、取引高、建玉などを一覧で掲載、ランキング化しています。是非トレードや投資活動の検討材料として活用ください。今後もCoinGeckoではグローバル仮想通貨市場の分析、データ提供を通して投資家、企業などを支えていきます。

関連記事はこちら
相変わらず仮想通貨市場は乱高下の激しい場面が見られる相場が続いていますが、一方、資金調達の手法としてはIEOが国内でも着実に進展を見せています。前回のレポートでは、そのIEOの実情について、CoinGEckoが分析しました。貴重なデータや見解を掲載しましたので、ぜひご覧ください。 IEO(Initial Coin Offering)はギャンブルなのか?仮想通貨の天国と地獄
おすすめの記事