第一項:トレードの考え方
第一回の講義です。
突然ですがトレードしている人間の何割が安定して利益を出しているのかご存知でしょうか?
実は1割のトレーダーしか利益を出せていません。
では負けてしまう9割のトレーダーはなぜ負けるのでしょうか。
そして1割の勝てるトレーダーはなにを考えてトレードしているのでしょうか?
その1割のトレーダーになるために必要な根本的な考え方を学んで行きましょう。
実は負けている9割のトレーダーはテクニカル指標や形などを見てトレードをし、逆に1割のトレーダーはその9割の投資家の心理を参考にしてトレードを行なっています。
もしテクニカルの用語や形だけを覚えて勝てるとしたらほとんどの人が勝ててしまいます。
まずはトレード手法やテクニカルの用語を覚える前にこの1割の人たちが参考にしている、根本にある考え方をマスターしましょう。
タイトルにもある通り、これを徹底すれば勝てますが、逆に言うとこれを徹底できないと必ず負けてしまいます。
トレードの本質には大きく分けて2つのポイントがあります。
トレードの本質
- 1.トレードは他者のお金を奪うゲームなので他の市場参加者の心理を考える
- 2.トレードの勝ちとは勝率ではなくトータルの損益で決まる
1つずつ見ていきましょう。
1.トレードは他者のお金を奪うゲームなので他の市場参加者の心理を考える
まず知ってほしいのはトレードはゼロサム・ゲームであるということです。
ゼロサム・ゲームとは複数の取引参加者が取引をする中で、全員の損益の合計がゼロとなるような取引や状況のことを指します。 つまり、誰かが儲かれば誰かが損をするような仕組みです。
つまり
簡単に言うと儲かっているとは以下の2つの状況のことを指します。
1.他者よりも早く、値動きした方に注文を入れる
2.他者がロングの注文をいれているときに自分はショートでエントリーして価格が下に動く
この2つを達成するためには、
1.他者よりも早く動く方向の注文を入れる
2.自分と違う方向に動くと思っている人たちがいる中で値動きする方向の注文を入れる
が必要です。
つまり、考えるべきは他の参加者がなにを考えているかです。
よくトレードは美人投票ゲームなどといわれているのもこれと同じ考え方です。
美人投票ゲームとは街中の人を100人にアンケートをとって1~10番の美女のうち誰が一番美人かを聞いて回って一番美人の人を決めたものをあてるというゲームですが、もしこれに自分が参加した際には
トレードも自分がどう動くと思うとかを予想するのではなく市場参加者がどう思っているか考えるべきなのです。
2.勝率にこだわるのではなくトレードの勝ちとはトータルの損益で決まる
そもそも、トレードで勝つ、負けるの定義はなんでしょうか。勝率が高いことがトレードで勝っていることなのでしょうか?違いますよね。トレードで勝つとは如何に稼げたかです。
つまり、
ですのでもし現在のチャートの状況が下に行くほうが確率が高いとしても上昇した場合の利確ラインと下落した場合の利確ラインで明らかに上のほうが値幅を取れるとしたら、確率は下のほうが高くてもロングをいれるべきなのです。大事なのは
以上を踏まえ皆さんにお伝えしたいのはに如何に他人の心理を活かし、期待値の高いトレードができるか今後皆さんが成長していくにあたって必要なことかと思います。
いろんな凄腕トレーダーのみなさんが「今が買い」、「今が売り」などの推奨ポジションを有料で教えてくれるサービスを配信していますが、
仮にそれで勝てていたとしても、もしその人が急に配信をやめちゃったら自分はもうトレードできなくなっちゃうわけですからね。
【トレードの本質】
- トレードはゼロサム・ゲームなので他者からお金を奪っているという感覚を身につける
- 勝率にこだわるのではなくトレードの勝ちとはトータルの損益で決まる
この2つを必ず身につけて自分でトレードができるようになりましょう。
第二項:他のトレーダーの心理を考える
第一項で書いた2つのポイントの1つ目、「トレードはゼロサム・ゲームなので他者からお金を奪っているという感覚を身につける」について考えるべきは他の参加者がなにを考えているかで、自分がどう動くと思うとかを予想するのではなく市場参加者がどう思っているか考えるべきとお伝えしましたが、これだけだとイマイチピンとこないと思うので具体的になにを考えて、今後なにをしていけばこの考え方が身につくのか紹介していきます。
まずは具体例です。
下記のチャートを見てください。黒の四角でエントリーすることを考えましょう。
※第二章以降で学んでいく知識がいくつかここから先にいくつか出てくるので説明しておきます
- サポートライン・・・この価格帯は割らないだろうとみんなが思っている可能性が高いライン。直近の安値を結んだラインなどが多い。このラインを割ると大きく下落していく可能性が高いライン
- レジスタンスライン・・・この価格帯は超えないだろうとみんなが思っている可能性が高いライン。直近の高値を結んだラインなどが多い。このラインを超えると大きく上昇していく可能性が高いライン
- ロング・・・買いのこと
- ショート・・・売りのこと
- 含み益・・・ポジションをもっている時に、もし決済したら出るであろう利益のこと。これを決済することを「利確」という。
- 含み損・・・ポジションを持っている時に、もし決済したら出るであろう損失のこと。これを決済することを「損切り」という。
まずは9割のトレーダーが考えている一般論です。
青のサポートラインを割っているからショートというエントリーになるでしょう。
これを投資家心理で考えます。このタイミングでトレードに関わっている人は全部で6種類です。
- ロングで含み益を持っている人
- ロングで含み損を持っている人
- ちょうど今ロングでエントリーする人
- ショートで含み益を持っている人
- ショートで含み損を持っている人
- ちょうど今ショートでエントリーする人
1~6までの人がなにを考えているか考察していきましょう。
1.ロングで含み益を持っている人
3.4あたりでロングエントリーをいれた方です。3.の人はまずあんまいないはずです。なぜなら3のタイミングではまだ青のサポートラインが引けないはずなのでここから漠然と上がっていくのかなという予想でのロングエントリーを入れる人はあまり多くはないと思います。
4.の人はかなり多いと思っています。なぜなら3度の暴落の後に今度こそ底だろうと思ってロングエントリーをいれた人たちだからです。
この人たちはここでサポートライン割れしたら自分の持っていた価格まで下がってきてなんならマイナスになるかもと考えるはずなのでここで利確しようとする人が多いでしょう。
2.ロングで含み損を持っている人
1.2.でロングを入れた人たちですね。1の人たちは大きい下落が終わって底かと思ったところでロングをいれた人たちです。その後にもう一段下がって損切りをしているかすぐに自分の買った価格まで戻ってくると思っている人たちです。2の人は少し価格が上がってきてこのまま上がると思ってロングをいれた人たちです。下がってきてどこで損切りするか悩んでいるところでしょう。損切りをするならここのサポートライン割れかこの定着を見て損切りをいれるでしょう。
3.ちょうど今ロングでエントリーする人
ここで反発して上のレジスタンスラインを超えるだろうと考えいる人です。ここでの反発を見てロングエントリーするとしたら損切りラインは3ぐらいの価格帯である44.5万円ぐらいのところで設定するはずなので下がっていった場合には損切りの連鎖で下落していく可能性が高いでしょう。が価格が上がる場合には確かにショートの損切りの連鎖でレジスタンスラインを超え上がっていく可能性があります。
4.ショートで含み益を持っている人
ショートで利益が出ている人は赤ブロックかその少し下からショートを持っている人です。
ここの人たちは暴落始まる前か一度暴落して更に2度目の暴落中にショートを入れている人で今はどこで利確してもいいですよね。その中で黒の四角ではちょうどサポートライン割れで更に下落していく可能性が高いのでこのまま様子見でしょう。
5.ショートで含み損を持っている人
4のあたりで更に下落すると思っている人です。その後の上げで損切りしている可能性が高くあまり考えなくてよいでしょう。ここまで持っていた人もここで損切りする人は少ないでしょう。
6.ちょうど今ショートでエントリーする人
ここのラインを割ると思っている人で仮に上がるとしても青のレジスタンスラインで損切りをいれればいいだろうと思っている人が多いはずなので素直にショートエントリーする人が多いはずです。
もし上がっていった場合には損切りの連鎖で青のレジスタンスラインを超える可能性は高いでしょう。
以上の1~6の人たちの動きを考えた時にここから上がっていく(ロングの注文が入る)ことって今後のショートの損切りだけで、今までのところでポジションを持っている人の多くはロングの損切りになるかそのままポジション保持だと思うのでここでもし青のレジスタンスラインを割った場合には大きく下落していく可能性が高いといえます。
このように
次に勉強方法です。
この感覚を養うためには
これを読んで、何を考えているのか、どういった判断でそのシナリオを考えたのかを毎日分析することが最も早く上達する方法かと思います。
また、ここまでのの勉強方法で、結局みんなが意識しているラインや9割の人がなにを考えているかを知る必要がありますよね。
こちらを知るためにやはりトレードの基本をしっかり理解する必要があります。今後こちらの講義で配信していくつもりではありますが、トレードの基本を身につけるという当たり前のことができないと9割の人がどのように考えてトレードしているかどこを損切りラインにしてどこを利確ラインとして見ているのかなどがわからないままです。いくら投資家の心理を考えていてもみんなが意識しているラインや、他の投資家が考えていることをわからないままなのでやはりテクニカル指標は学んでいく必要はあるのです!
ということで第2.3回の講義ではテクニカル指標やラインの引き方について学んでいこうと思います!
【第三項】 勝率にこだわるのではなくトレードの勝ちとはトータルの損益で決まる
そもそも、トレードで勝つ、負けるの定義はなんでしょうか。勝率が高いことがトレードで勝っていることなのでしょうか?違いますよね。トレードで勝つとは如何に稼げたかです。
つまり、仮に勝率が悪くても、一回一回の負けが少なく、勝ったときに莫大な利益を得られているのでしたらそれはトレードには勝っている、ということになります。
具体例です。もし今エントリーするならどういったエントリーが良いでしょうか?
まずはこちらのチャートを先程の投資家がどう思うかということを考えてください。
昨日の復習です!
ご自身でショートで利益が出ている人は〜など昨日の1~6の人がどう考えるか考えてみてください!
答えをみていきましょう!
ショートで利益を持っている人は上がってきていてそろそろ利確しようかな。。。と考えるでしょうし、ショートで損してる人は微損ぐらいで損切りするかひげでピンクのライン付近で逆指値がささった人でしょうしこの人たちはあまり多くないでしょう。
ロングで得している人も損切りと同じロジックであまり多くないでしょう。
ロングで損している人は上から持っている人は損切りされているはずですしあまりいないかと思います。
以上からここでは上からショートを持っている人の利確で価格があがる可能性のほうが高いかもしれません。そのため価格が上がる下がるを当てるだけのゲームではここでは価格が上がるというのが正解でしょう。しかしトレードはそうではありません。
このことに注意してもし上がるならどこまでで下がるならどこまで下がるかを考えましょう。
※前提としてこの時長期で意識されている69(1),64万円(2)のラインがかなり効いていました。
上昇の場合
ここまで大きく下落してきた場面で長期で意識されている1,2のラインそして直近高値の3のラインなどどこでとまってもおかしくないラインが3本も存在し、もし上昇するにせよ今の価格63万円から64~69万円までしか上昇しないでしょう。
下落の場合
ずっと上で推移していて長く割っていなかったラインを割っての今の価格なのでもし直近安値の60万円を割った場合には下に明確なサポートラインがなく次に意識されるのが価格として明確な50万円まで存在しません。更にこの60万円も明確に過去反発したわけでもないただの直近安値の価格です。
まとめると
上昇するなら1~6万円(1万円幅である可能性もかなり高い)
下落するなら3~13万円(3万でとまる可能性はそんなに高くない)
ということになり、明らかに下落のほうが大きな幅が取れます。
結果としては以下のように大きく暴落する結果になりました。
以上のように
次は勉強方法です。
要は期待値の考え方ですね。
これを知るためにはみんなが意識しているであろうライン、テクニカル指標を理解して、注文を入れる際は必ずポジションを持つ注文、利確ライン、損切りラインを決めて