米大手銀行が年間2000億円を仮想通貨関連へ送金、調査会社が発表

仮想通貨やブロックチェーン関連の追跡やセキュリティの調査を行っているサイファートレース(CipherTrace)が12月16日、銀行および金融機関向けのサイファートレース・リスク・インテリジェンスという製品の発売を発表した。

マネーサービスビジネスとして識別および監視するには不十分

この発表の中でサイファートレースは、アメリカのトップ10に入る小売り銀行すべてが仮想通貨取引所を含めた未登録の仮想通貨マネーサービスビジネス(MSB)に資金を送信していると記述している。典型的な大手銀行は仮想想通貨に関連した送金を年間20億ドル(約2,200億円)行っていることにも言及した。

米国銀行秘密法(BSA)と金融活動作業部会(FATF)のトラベルルールは、金融機関が進めるマネーサービスビジネスを明確に識別することを求めている。今回の発表でサイファートレースは、仮想通貨取引所およびその他の仮想通貨サービスプロバイダ―をマネーサービスビジネスとして識別および監視するにはほとんどの銀行が不十分だと指摘している。

金融機関は潜在的な脅威を検出する方法がない

この発表によると、銀行はリスク管理・マネーロンダリング防止・テロ資金対策のための高度なツールと方法があるとしている。

サイファートレースのデイブ・ジェバンズ(Dave Jevans)最高経営責任者(CEO)は、「金融機関は潜在的な脅威を検出する方法がないため、仮想通貨関連のリスクに晒されている。サイファートレースは、年間を通じて最先端の銀行セキュリティチームとともに働いており、リスクを軽減することができる」と述べた。

また同氏は、「仮想通貨会社に預けてリスクを評価するか、金融犯罪取締ネットワークと米国銀行秘密法準拠の既存の支払いネットワークで危険な顧客を検出するかを問わず、サイファートレースにはソリューションがある」とも話している。

参考
CIPHERTRACE LAUNCHES CRYPTO RISK INTELLIGENCE PRODUCTS FOR BANKS

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文:かにたま

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