ICOの実施国はシンガポールが圧倒的

米「ブロックチェーン協会」は仮想通貨業界の人材に関する調査レポート「Digital Asset Human Capital Trends Report」を公表。

2019年に行われたトークンセール(ICO/IEO)の40%近くが、シンガポールを本拠とするプロジェクトだった。理由として、シンガポールがもとよりビジネス親和的な国であることに加え、政府が技術・金融確信に積極的だからと指摘している。

一方、米中ともに13.5%ほどにとどまるが、それでも2、3位にランクインしている。米国ではSEC、中国では中央銀行がICOを厳しく取り締まっているにも関わらず、13%とのシェアを叩き出せたことは、水面下で行われているプロジェクトの数に反映すると読み取れるだろう。

出典:TheBlock

レポートでは、米国の規制の不確実性に対する企業の懸念が高まっていることを伝えている。この流れが続くならば、シンガポールがさらにシェアを拡大し、仮想通貨業界のハブになると考えられる。

仮想通貨業界の雇用の3分の2が米国外

なお調査レポートによると、2019年の仮想通貨業界は約2万人の専門職を雇用した。このうちの85%は取引所、開発企業およびマイニング企業に務めることになっている

従業員100人以上の仮想通貨企業は48社に上る。このうちの約半分が仮想通貨取引所の従業員だ。従業員数が最も多いのは中華系取引所グループHuobi Global(シンガポール拠点)で、OKCoin傘下のOKExと米Coinbaseがこれに次ぐが、下図の様に大差をつけられていることがわかる。

出典:TheBlock

48のスタートアップのうち、6割ほどが米国外に本拠を置く企業だ。米国企業のなかではCoinbaseが最多の従業員を雇用し、ETH特化型ブロックチェーン企業ConsenSysがこれに次ぐ。

上述のトークンセールのデータからでも判明したように、規制環境は業界に大きく影響を与えている。

具体的には、米国で仮想通貨やブロックチェーンに関するビジネスを行う際の障壁について、91%の企業は米国の規制を不明瞭だと見ている。43%の企業が、規制の不確実性によって法務コスト負担が重荷になると考えており、91%の企業が米国の規制の明確化を望んでいる。

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