仮想通貨取引所バイナンス、50億円超のインド向けファンドを共同設立

バイナンスがインドの取引所と共同でファンド設立

3月17日、世界最大手の仮想通貨取引所であるバイナンス(Binance)がインドの仮想通貨取引所であるワジールエックス(WazirX)とともに、インドのエコシステム促進のために、5,000万ドル(約54億円)の「インドのためのブロックチェーン(Blockchain for India)」ファンドを設立することが発表された。

2019年11月に、バイナンスはインドのブロックチェーンテクノロジーの使用と採用を促進するためにWazirXを買収している。この買収に伴い、バイナンスではインドの法定通貨であるインドルピー(INR)の法定通貨ゲートウェイが導入された。また、バイナンスのイニシャル・エクスチェンジ・オファリング(IEO)プラットホームであるローンチパッド(Launchpad)の第12弾IEOとして、2020年1月4日から2月3日の期間、WazirXの独自トークンであるWRXが販売された。

今回のファンドからは、10万ドル(約107万円)から500万ドル(約536万円)の範囲で企業とトークンの両方に投資されていく。ファンドはブロックチェーンエコシステムに積極的な投資をするインドのベンチャー基金とも連携し、ブロックチェーン技術の研究施設設置に関心のある大学や学生組織に指導と支援を提供することを目指している。

仮想通貨への対応が変わりつつあるインド

インド国内での仮想通貨の扱いも変化している。インドの現地メディアであるエコノミック・タイムズ(The Economic Times)の報道によると、3月4日、インドの最高裁判所はインド準備銀行(RBI:Reserve Bank of India)に対して、同行が発した仮想通貨禁止命令を違憲だと判断している。

WazirXのニシャル・シェティ(Nischal Shetty)創業者兼最高経営責任者(CEO)は、「インドには才能のある技術者が数多くいる。この基金により私たちは、より多くの創業者やチームがブロックチェーンや仮想通貨の開発に参加できるようになることを歓迎したい。今回のファンドとは別に、私たちは他の投資ファンドとも協力し、エコシステムをさらに成長させていくことを楽しみにしている」と語った。

参考
Binance and WazirX announce USD 50M ‘Blockchain for India’ Fund to foster the growth of the Indian startup ecosystem
SC allows trade in cryptocurrency, quashes RBI curb

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文:かにたま

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