仮想通貨取引所バイナンスのCZ氏、スチームについて「中立を保ちたい」

世界最大手の仮想通貨取引所であるバイナンスのジャオ・チャンポン(Changpeng Zhao:通称CZ)最高経営責任者(CEO)は5月24日、仮想通貨スチーム(STEEM)のハードフォークについての声明を発表した。この中でCZ氏は中立を保ちたいと自分の立場を表明している。以前からバイナンスは中立を宣言していた。

ハードフォークが行われた経緯

仮想通貨トロン(Tron)の運営開発を行うトロン財団が2月14日、スチーミット社(Steemit)との提携を発表した。翌15日にはトロン財団のジャスティン・サン(Justin Sun)CEOとスチーミットのネッド・スコット(Ned Scott)前CEOがYouTube上で、今後の方針についてライブチャットを行っている。

しかし、この買収によりトロン財団がスティームを大量保有することとなった。これに対してスチーミットコミュニティはソフトフォークを実施。ソフトフォークへの対抗策としてトロン財団は3月8日、「“スチーム買収”の背後にある真実(The Truth Behind “Steem Takeover”)」というタイトルで6,500万STEEMを凍結したこと情報フォーラムであるメディウム(Medium)上で発表した。

今回問題となっているハードフォークは、3月20日に行われた。このハードフォークによりスチームと完全に独立する通貨ハイブ(HIVE)が誕生している。ハードフォーク段階では1STEEM=1HIVEという割合だった。ハイブは既にフォビ、バイナンス、ビットレックスなどに上場しており、執筆段階では1HIVE=約30円で取引されている。これに対してスチームの執筆段階の相場は1STEEM=約22円となっている。

分散化がユートピアであるという誤解はお勧めしない

今回の声明の中でCZ氏は、ダン(Dan)とアンドレス(Andreas)という2名の意見についても触れている。ダンは約100万ドルにも上る盗難の犠牲者と自分を紹介しており、アンドレスは集団訴訟が発生する可能性について示唆している。

この2人の意見に対してCZ氏は、51%攻撃や集中化の危険性、分散化から逆行する可能性を挙げている。そして分散化がユートピアであるという誤解は勧めない、より健全な分散型エコシステムを構築するためには協力して解決する必要があるとまとめている。

参考
CZ’s Statement on the Recent STEEM Hard Fork

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文:かにたま

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