富士通、ブロックチェーン上で電力の取引が可能なシステム開発 安定供給目指す

富士通と富士通研究所がブロックチェーンを応用し、工場や店舗などの電力の使用者間で不足・余剰電力の取引が行えるシステムを開発したことが発表されました。

電力取引でもブロックチェーン活用

電力業界では「デマンドレスポンス」と呼ばれる、電力会社と需要家(工場や店舗などの電力の使用者)が協力して電力の使用量を調整する取り組みが進んできています。
しかし、電力会社からの調整要請に対して需要家が対応できず、デマンドレスポンスの成功率が低くなる事例が発生していました。

今回富士通と富士通研究所は、需要家ごとの自家発電や節電で生み出される余剰電力を、需要家間で効率よく取引できるシステムをブロックチェーン上に立ち上げました。

システムには、登録されている売り要求から融通可能な電力の総和を求め、買い要求の中から買える分だけ順番に素早く承認処理を確定する仕組みが実装されています。デマンドレスポンスでは短時間で節電の可否が求められる場合があるため、これにより迅速に節電の可否を回答することが可能になります。
さらに回答後、確定済みの買い要求に対し売り要求を無駄なく配分することで、取引が最適化されるようになっています。

エネルギーエージェントサービスや電力卸取引を行うエナリス協力のもと、消費電力実績データにこのシステムを活用したシミュレーションを実施した結果、デマンドレスポンスの成功率が約4割向上することが確認されたとのことです。
富士通は今後このシステムの検証を進行し、2019年度以降に実用化を目指すとしています。

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