- 欧州委員会が2019年に「ブロックチェーン委員会」設立へ
- EUの政策執行機関「欧州委員会」は、複数の主要銀行と提携し、ブロックチェーン協会の発足を発表した。EUブロックチェーン基準を国際的に推進することを目的としており、スペイン大手銀行のBBVAやサンタンデールも参加する。
欧州委員会が2019年に「ブロックチェーン委員会」設立へ
EUの政策執行機関である欧州委員会(EC)は、多くの主要銀行と提携して、来年度から新しくブロックチェーン発展のための協会を発足すると発表した。
業界のエキスパートなどの協力を得ながら、今後EUがどのようにこの革新的なテクノロジーを駆使していくかを焦点として、今後の発展を促すのが目的である。この発表はECが開催した「EU各業界をブロックチェーンで統合、リードしていく」と題された会議で行われた。
スペイン・ビルバオに本社を持つ連合銀行グループである、ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行「BBVA」も、この新しい組織、「信用ブロックチェーン応用国際協会(International Association for Trusted Blockchain Applications –IATBA)」への参加が決まっている。
Ripple社の技術であるxCurrentを用いて、顧客向けに国際決済サービス「Santander One Pay FX」を提供する、スペイン最大の商業銀行グループである「サンタンデール銀行」も参加銀行の一つとされている。その他の参加銀行はまだ公表されていない。
ECはブロックチェーンの活動を活発にさせる為に今年2月にはEUブロックチェーン観察フォーラムを開催、4月には協力を約束した22カ国からなるヨーロッパ・ブロックチェーン・パートナーシップを発足したばかりである。(現在は27カ国まで発展)
国際的標準規制やガイドライン設立へ
このようなECやEUの積極的な参加は、ブロックチェーン業界を活発化させるだけでなく、国際標準の規制やガイドライン設立して信用度を向上させる事も目的としている。
BBVAのデジタルビジネスリサーチ開発部門長であるCarlos Kuchkovsky氏は、今回のIATBAの発足について「ブロックチェーンの統一した標準や実践規制を設けるのは、ヨーロッパ全体でのフラグメンテーション(断片化)を防ぐことがに繋がる」と言及し、ブロックチェーンによく言われる「統制の不安定さ」を明確にしていきたいと述べた。
同氏は「ブロックチェーンは単にテクノロジーではなく、トークン化された新しいビジネスモデルを生み出し、将来の非中央化経済へ導いてくれるものである。」と加えた。
今年10月には、欧州証券市場監督局の内部組織である「証券市場利害関係者」グループが、既存の規制の下で仮想通貨とICOを規制する方策についての助言をまとめた報告書を発表した。
その枠組みとして、1月に執行されたEUのMIFID II (第二次金融商品市場指令)を挙げ、この法令の元で仮想通貨の規制を検討し、条例の明確化を促していく方針を述べている。
このような一連の動きは、仮想通貨市場の暴落にかかわらず、ブロックチェーンテクノロジー自体の可能性を示唆しており、今後のブロックチェーンの活性化に繋がると期待を寄せられている。