Xは2026年3月5日、米国で決済・金融サービス「X Money」の限定ベータ版を開始しました。

ベータ版では、年利6%のAPYが表示された残高運用機能のほか、リワード付きデビットカードや個人間送金(P2P)機能などが確認されています。SNSと金融サービスを統合するXの構想が、実際のサービスとして試験運用段階に入った形です。

今回のベータ版で特に注目されているのが、年利6%という利回り水準です。米国では普通預金の金利は一般的に1%未満にとどまり、高利回り預金でも4〜5%台が中心とされており、今回表示された6%は比較的高い水準とみられています。

ただし、この利回りの適用条件については現時点で詳細が明らかになっていません。適用上限額や対象口座、利率の継続期間などは正式に公表されておらず、ベータ段階の表示条件がそのまま正式サービスに適用されるかは不透明です。

資金管理の仕組みとしては、預金は米国の銀行であるCross River Bankが管理し、連邦預金保険公社(FDIC)の保険により1人あたり最大25万ドルまで保護されるとされています。

ただし、FDIC保険の対象となるのは提携銀行側の預金部分であり、X Money自体が銀行として保険対象になるわけではありません。

マスク氏の「Everything App」構想、金融機能が試験運用段階へ

今回のX Moneyベータ版は、イーロン・マスク氏が掲げる「Everything App」構想の中でも金融機能の実装にあたる取り組みと位置付けられています。

Xはこれまでに米国の複数州で送金関連ライセンスを取得するなど、金融サービス展開に向けた準備を進めてきました。

さらに2025年にはVisa Directとの提携を発表しており、銀行口座への送金や決済機能の基盤整備を進めてきた経緯があります。

今回の限定ベータは、こうしたインフラ整備を背景に金融機能の実運用に向けた検証段階に入ったものとみられます。

今後は正式サービスの開始時期や6%APYの適用条件、決済・送金機能の拡張などが重要な焦点となりそうです。高利回りの持続性がどこまで確保されるのかも、X Moneyの競争力を左右するポイントとなります。

画像:shutterstock

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